マイナ電子証明書事務受託をさらに 長谷川議員 参議院予算委で

2024.06.09

 長谷川英晴参議院議員は4月24日の参議院予算委員会で、災害時に罹災証明書手続き等の自治体業務について「マイナンバーカード暗証番号のロック解除、再設定等は郵便局の委託は可能。手続き体制整備が急務」など防災を主体に多岐にわたる国会質問を行った。日本郵政の加藤進康副社長から「自治体に(さらに)積極的に提案を行う」などの方針が示された。

能登半島地震被災者への心のケアを

 長谷川議員 自民党は有権者の声を聞く「政治刷新車座対話」を始めたが、ご意見を政治改革案にどう反映されたのか。

 岸田総理大臣 政治は国民のものという立党精神に立ち返るために開始した。私も熊本と島根に足を運んだ。厳しい声もしっかり受け止めて、信頼回復と併せてさまざまな分野で政治の責任を果たすご要望に襟を正し、努力を続けたい。
 長谷川議員 感染症と自然災害に強い社会の実現に向けた提言を続けるニューレジリエンスフォーラムに全国郵便局長会の末武晃会長も発起人として参画している。内閣感染症危機管理統括庁をあらゆる危機への対応を統括するオールハザード型司令塔として機能させるべきではないだろうか。
 新藤義孝経済再生大臣(危機管理も担当) オールハザード型の対応は大変重要。内閣官房を中心に省庁横断的に自然災害、事故に加えて感染症、有事、危機管理対応の体制を整えている。現在、10年ぶりとなるが、政府の行動計画全面改定に向けて、平時の取り組みや事態発生時の国と地方等の連携を記載する方向で調整している。複合的事態も関係省庁と緊密に連携し、対処したい。
 長谷川議員 「令和6年能登半島地震」で、住環境悪化や将来への不安などさまざまな心労を抱えている、被災された方々への心のケアが必要だと思うが。
 辺見聡厚生労働省障害保健福祉部長 災害復興期に避難生活を送る中で、PTSDや二次的ストレスに起因して心身の変化を起こす被災者が増加することは、過去の災害の経験からも指摘されている。発災当初から精神科医療の専門家によるDPAT派遣による避難所の巡回、石川こころのケアセンターにおける電話相談などに取り組んできた。切れ目のない支援を行いたい。
 長谷川議員 全国に郵便局ネットワークを持つ日本郵便は地域住民の安心・安全に大きく貢献できる。国や地域に大切な拠点である郵便局の施設だが、老朽化や耐震への備えが心配だ。能登地震では3局が耐震性能不足のまま被災し、いまだに開局できていない。2016(平成28)年の参議院の答弁書には、耐震化を18年度までに進めると記されているが、5年が過ぎ、耐震性能が不足する小規模局の局舎改善は遅れていないだろうか。
 加藤進康日本郵政副社長 対応ができていない局舎も25年度までに補強工事を実施し、工事困難な局舎は27年度までに移転等を実施する。
 長谷川議員 日本郵政の増田寬也社長は対談の中で「郵便局が地域の災害復旧支援でお役に立てることも多いと思う。例えば、災害時の自治体業務の受託だ」と述べられていた。能登地震でもマイナポータルから罹災証明書が発行されるが、カードの暗証番号を忘れた方は再設定もできず、罹災証明書発行が遅れるケースも発生していると聞く。マイナカード暗証番号のロック解除、再設定を郵便局に委託することは可能。自治体による制度の早期導入と郵便局窓口での迅速な手続き体制の整備が急務だ。
 加藤副社長 マイナカードに設定される4種類の暗証番号を初期化する取り扱いは16自治体から郵便局が受託している。各自治体に個別に提案したり、市長会・町村会会合で説明したりするなど受託拡大に取り組み、25年度以降、大きく増えることが見込まれる。総務省の補助金制度の活用を含め、提案に積極的に取り組んでいく。
 長谷川議員 石川県七尾市では総務省の実証実験として郵便局でのオンライン診療が行われ、住民の方々から、安心してデジタル面を含め、受診できたと高評価をいただいていると聞く。環境整備に政府の積極的な取り組みを期待している。