「ドローン×ロボット」初の実証

2022.01.27

 日本郵便が東京都奥多摩町で約1カ月間行った、ドローンと配送ロボットを組み合わせて荷物を運ぶ全国初の実証実験が12月20日、報道陣に公開された。

日本郵便、法改正視野に検証

 ドローンは昨年6月に資本・業務提携を締結した㈱ACSLの「PF2」、ロボットは㈱ZMPの「デリロ」を活用。実験は2社の協力のもと、日本郵便が11月9日に国土交通省から「レベル3」(補助者を配置せずにドローンを目視外飛行)の承認を得た上で行われた。2022(令和4)年度の法改正もにらみ、過疎地等の買い物支援の実用化などに向けて検証した。

 実験では、荷物を載せたドローンが約2㌔離れた地に山を越えて飛行し、目的地の地上約3㍍上から下で待つロボットに荷物を落下。背体で荷物を受け取ったロボットは、歩道と車道の区別がなく坂も多い道を、言葉を発し、目の動きで愛嬌を振りまきながら約200㍍を走行。顧客宅前に置き配した。

 立会記者会見で、奥多摩町の師岡伸公町長は「高齢者の一人住まいや買い物に苦労される方が多い。暮らしを支えることができたらと、日本郵便はじめ各社の方々に協力いただき、ありがたい」と感謝の意を表した。
 日本郵便の小池信也常務執行役員は「人口減少や少子高齢化の中、人手に頼らない取り組みが重要。ドローンとロボットの一気通貫は装置を使って成功した。さらにスムーズにオペレーションできるようにしたい」と意欲を示した。
 ACSLの鷲谷聡之社長は「2022(令和4)年にレベル4(有人地帯の目視外飛行)の法改正に向けた技術開発を継続し、23年以降の社会実装に取り組む。山間地でLTE通信、携帯電波網を使った連続制御・監視の運用できたことが成果」と指摘した。
 ZMPの谷口恒社長は「すでにロボットは20~30㍉雪が積もった都心部でも走行できている。配達だけにとどまらない住民の方々の見守りもできるような波及効果も今後はチャレンジしていきたい」と述べた。
 近隣住民は「普段、買い物は青梅まで1時間かけて行っているが、山奥の茶色い風景の中、赤いかわいいロボットが届けに来るのは歓迎でワクワクする。ドローンの音は草刈り機のようで、さほど気にならない」などと語った。

左から小池日本郵便常務執行役員、師岡奥多摩町町長、鷲谷ACSL社長、谷口ZMP社長