都内初 特殊詐欺撲滅へ、城東エリア19局が警察と協定

2023.12.02

 東京都江東区にある城東警察署と城東エリア19局(東京都東部地区連絡会116局の一部/前野耕一統括局長/江東亀戸七)は10月25日、「特殊詐欺被害防止対策に関する協定」を締結した。ますます手口が複雑化する特殊詐欺防止の対策強化を目的とするもので、郵便局と警察署の協定締結は都内では初めて。

郵便局の未然防止力が成果

 全国的には北海道警察と5地区284局の「特殊詐欺撲滅宣言」のほか、岩手県宮古警察、神奈川県金沢警察(11月9日)、山梨県北杜警察、新潟県警察本部、長野県警察本部、愛知県設楽警察、豊橋警察、名古屋市港警察、京都府向日町警察等が郵便局との協定を締結し、安全な暮らしを支えている。

安全なまちづくりに貢献

 都内初の協定締結に至った経緯は、これまでに城東エリア19局が特殊詐欺被害防止対策で成果を上げてきたことを城東警察が認知したことが背景にある。
 都内102署で構成される警視庁管内で、2020(令和2)年度の被害金額の合計は約63億円、21年度が66億円、22年度が67億円と増加傾向がとどまらないが、城東署管内は20年度1億1000万円、21年度870万円、22年度6800万円と、被害額と認知件数が徐々に減少。郵便局が未然に防いだ例が多かった。
 協定は①相互に連携・協力し、被害防止を推進②不審者等に関する情報を認知した場合、速やかに通報③特殊詐欺対策に関する注意喚起の実施――の3点を主とする。
 締結式で、城東警察署の桑嶋康雄署長は「日頃からの特殊詐欺防止対策、警察行政の支援に御礼申し上げたい。窓口業務、ATM被害防止、配達先の不審者110番通報の強化を願う。東京を牽引する取り組みを充実させたい」と述べた。
 前野統括局長は「都内の郵便局で発生した特殊詐欺は22年度に280件、約2億3000万円。うち181件、約1億9000万円を未然に防ぐことができた。地域の方々の安心な暮らしを守るのが郵便局の使命。一層の未然防止に努めたい」と意欲を示した。