日本郵政G×府中市 全国初、スポーツ振興協定
日本郵政と東京都府中市は8月22日、スポーツ振興による地域活性化に向けた全国初の協働協定を締結した。人生100年時代を迎える中、市民の健康づくりにグループ挙げて貢献するスポーツ&コミュニケーション部の構想第1弾。市と日本郵便東京支社(木下範子支社長)との包括連携協定を機に同時実現に至った。日本郵政グループ女子陸上部選手や、スポーツ経験の深い局長・社員を中学校部活動の指導に派遣する仕組みも検討中だ。
人生100年時代 健康増進も地域と共に
日本郵政グループとして、自治体とスポーツ主眼の協定締結は全国初となる。
締結式で、府中市の高野律雄市長は「協定が心豊かに暮らせるまちづくりへの貢献を願っている。局長や社員の方々のスポーツ経験をデータベース化して進めたい」と喜びを見せた。
郵便局が地域コミュニケーション支え
東京都多摩東部地区連絡会の髙木淳光統括局長(多摩センター、写真上)は「包括連携協定とスポーツ協定が同時に締結できたことに感謝申し上げたい。郵便局ネットワークの資源や人材のノウハウを地域社会の発展に役立てるように頑張りたい」と意欲を示した。
当日は清瀬市も包括連携協定を締結。東京支社管内で9自治体目と協定を結んだ。
高野市長㊨と府中西府町局の矢口和成局長
締結式3日前の19日には、世界陸上女子1万㍍決勝で日本郵政グループ女子陸上部の廣中璃梨佳選手が7位に入賞。
日本郵政の櫻井誠執行役(写真上)は「入賞をグループ挙げて喜んでいる。女子陸上部も創部10年たつ中、スポーツを軸に地域とのコミュニケーションをもっと深めたいとの思いで府中市から千葉岳志部長をお迎えし、社内にスポーツ&コミュニケーション部が立ち上げられた。選手たちも試合やトレーニングに応じて市のリクエストに応えたい。スポーツ経験を持つ社員やOBを指導者登録し、市の教育委員会ニーズに応じ、派遣できる仕組みも検討中だ」と明かした。
スポーツ庁は昨年、中学校の部活動に対する教員の負担増、指導者不足等を背景に、一つの学校でチームが組めない課題の解決に向けて、部活の地域スポーツクラブへの移行を宣言。学校の枠を超え、地域人材による生徒のスポーツ育成ニーズが急速に高まった。
女子陸上部や社員を部活指導に派遣も
女子陸上部を率いる髙橋昌彦監督の「グループは多彩な人材の宝庫だ。局長の方々にも人材を引っ張っていただきながら、女子陸上部も一緒に地域のコミュニケーションを支えていきたい」との思いが、自治体と協業する形で本格的にスタートした。