震災13年、地元に笑顔の花を 宮城県山下東簡易局

2024.04.04

 「3.11」から13年。東北の簡易局は着実に復興の歩みを重ねている。宮城県山元町花釜地区(第3種危険区域)で昨年4月に移転再開した山下東簡易局の橋元裕子局長は「私は、あの日を絶対に忘れない。やっぱり忘れられない」と思いを込める。(左から、東北支社の堀江加奈子簡易局サポートマネジャー、補助者の森志都さん、橋元局長)

地元のお客さまの笑顔のため

 同局は元々、橋元さんの義父で初代局長の義次さんが営む商店内にあり、地域のよりどころだった。ところが、震災で一変。同町では約640人が犠牲になり、義次さんも帰らぬ人となった。
 「震災後に町から、少し離れた駅の近くで簡易局を開いてはとの話があったが、2代目の夫(伸一さん)は『そこじゃ意味がない』と。私も同じ思いだった」と振り返る。元の場所で商店と簡易局をいち早く再開し、被災者やボランティアらが集う場となった。
 その後、避難道路の工事で解体となり、約1年半を経て、裕子さんが3代目局長となって再開した。「毎日のように来られる方もいる。地元のお客さまの笑顔のため、地道に頑張っていきたい」とほほ笑む。