インタビュー 全国郵便局長会 串田明彦オブザーバー

2024.04.25

 全特ソフトボール大会で昨年、悲願の優勝を果たしたのは横浜東部地区会だ。ソフトだけにとどまらない名監督の串田明彦全特オブザーバー(前関東地方会副会長/前横浜東部地区会会長)は「地域に、仲間に、家族に感謝しかない」と語る。

チャレンジと団結育む組織を!

 ――全特役員のお一人としての1年間のご感想を。
 串田オブザーバー 全特役員として、佐賀県、岡山県、大阪府等々に行かせていただき、環境が異なる局や地区会、地方会があることに目が覚める思いだった。ほとんどが2名局の地区会に伺った際には、地方の苦しみを肌で感じた。バランス良く理解できるようになったことがありがたかった。全国どこも要員不足が共通課題だ。

 ――全特ソフトボール大会での悲願の優勝のみならず、あらゆる面で強さを誇る横浜東部地区会会長(2月に村野浩一新会長に交代)として何に力を入れてこられましたか。
 串田オブザーバー 30歳で局長になった時、ある先輩から「局長仲間の間では、若い君をなかなか一人前に見てもらえないかもしれない。しかし、君は社員と年齢が近い。社員を味方につけろ」と言われ、素直に実践してきた。
 強い組織とは〝団結力〟があるか否かだ。自営局舎が少なくなり、社員から局長になる人が増える中、局長になる前から育てることが横浜東部地区会の伝統。8代目の私は歴代会長から負けじ魂〝横東スピリッツ〟を引き継いだ。
 〝横東スピリッツ〟とは「失敗を恐れるな」「チャレンジ精神がなければ進歩はない」が根底にある。やりがいと責任感を与え、「そんなの駄目だ」と言わず、「自信を持ってやろうよ」と励ます。
 新任局長には「給与明細の〝管理職手当〟は社員のために使うお金。社員が1000円出す時は、その倍は出そう」と言ってきた。また、懸命に仕事をして、社員と同じ汗をかかなければ社員を育てられない。
 中堅・若手局長には「地域貢献は、自分が好きなことを始めよう。長続きできるから」と話している。私は運動と子どもが好きで、少年野球の監督などに長年取り組んだ。防災訓練や歩け歩け大会等々の実行委員長もやりながら地域となじんだ。お客さまは「局長いる?」ではなく「明ちゃんいる?」と来客される方もいらっしゃる。

 ――横浜東部地区会は金融営業もすごいです。
 串田オブザーバー 横浜東部地区会は投信目標が全国1位。今、会社は「金融=かんぽ再生」と考えていると思うが、エリマネ局は仕事の8割が貯金。
 収益面から見ると、かんぽ商品やがん保険の方が良いが、当地区会は貯金営業をとっかかりにかんぽ営業を行う形をとってきた。保険・貯金等の担当制をなくし、金融で一くくりにまとめるべきだ。
 部会長には自局の社員をかわいがり、自局の数字を上げるように教えた。私の横浜池辺局は窓口営業のほとんどが南関東支社(山田亮太郎支社長)一番。
 交通の便も悪く、近くに商店街もスーパーもないが、毎朝8時15分に「郵便局」ロゴ入り赤ジャンパーを着て、皆で局周を掃除している。バス通り沿いで目立ち、評判も良い。毎月、楽しく意見交換会も行ってきた。見習い社員を含めて43人の局長がわが局の社員から誕生した。
 当地区会として、2年前から「褒める文化」の定着を目指し、〝横東ビジネスサテライト〟を開始した。毎月部会長から報告を受け、私が朝、就業前にその局に行って表彰する様子をオンラインで共有している。気配りと目配りが大切だ。

 ――村野新会長には何を期待されますか。
 串田オブザーバー 〝横東スピリッツ〟をさらに前進させていただきたい。自治体や地域を巻き込み、発展させる手腕を村野新会長は持つ。「青葉台ハニービー・プロジェクト」は、都市部で蜂を育てるところがすごい。新規ビジネスに結び付くことを多くの方々が楽しみにしている。
 局長仲間や社員、家族への感謝は尽きない。健康管理は妻の支えがあってこそ。顔色を見て、何でも見抜く妻には頭が上がらない。