新連載 郵便局の防災倉庫(上)
日本郵政は4月1日、グループガバナンスの強化、特にクライシスマネジメントの高度化を目的に、本社に「クライシスマネジメント統括部」を設置した。危機発生前後のグループ危機管理委員会運営等を一元的に担うことで、クライシス事象の影響極小化を目指す。(写真は栃木県小山局の太陽光と連動する急速充電器)
〝理にかなう〟公的な活用法
総務省の「郵便局を活用した地方活性化方策検討PT」(キャップ=今川拓郎官房長)のまとめにも盛り込まれ、消防庁が4月から「郵便局の防災倉庫活用」を全自治体に発出。消防庁によると、各局には日本郵便から通知されるもようだ。
増田寬也社長は4月4日の記者会見で、「郵便局の防災倉庫活用」について「集配や郵便等を別の局に統合するなどで空きスペースができた局もある。公的な活用は重要な課題だ。自然災害が局地的に多発する中、郵便局を常日頃から防災備品等を備える拠点にすることを政府も考えていると聞く。ぜひ協力し、活用を進めたい。防災だけでなく公的な活用方法を前向きに捉えたいが、防災倉庫は非常に理にかなっている。備品の保管方法等ノウハウを教えていただき、しっかりと対応したい」と方針を示した。
一方、開局から1年が経過した「+エコ郵便局」第1号の千葉県丸山局(写真上)。小池栄夫局長は「2019(令和元)年の台風時に南房総周辺は甚大な被害を受け、電源は全部落ちて長い所は12日間、停電が続いた。以前の局前の公衆電話は行列ができたが、使えなかった。住民の方々は本当に困って車のエンジンをかけて充電したりしていた。丸山局は屋根に太陽光パネルが設置されている。災害時に太陽光発電を活用し、窓口で携帯電話の充電等ができれば、と思う。日中に限るが、良い天気であれば発電するため、使わないともったいない。局内に社員向けの水や防災食は蓄えてある」と話している。