郵便局と自治でマイナ協力を
マイナンバーカード普及に向けて郵便局の申請支援受託業務が11・12月に一気に勢いづいてきた。柘植芳文総務副大臣は「日本郵政の増田寬也社長と日本郵便の衣川和秀社長にカード普及に郵便局の協力を直接お願いし、申請に必要な端末機費用等を国が出すと約束した」と明かした(写真は宮城県柴田町、丸森町、村田町との「マイナンバーカード申請支援事務」の取り扱い開始セレモニー)。
総務省、官房長トップの議論も
11月11日の2023(令和5)年3月期中間決算記者会見で増田社長は「申請支援業務を手広く行いたい。政府がそのための資金を準備してくださっている」と意欲を示していた。総務省は現在、郵政政策部会(米山高生部会長)の審議とともに、今川拓郎官房長をトップとする初の「郵便局を活用した地方活性化方策検討PT」を立ち上げ、省内横断的にマイナ関連業務含めた郵便局活用策を議論している。
郵便局のマイナ申請業務、各支社で勢い
11月10日に東北支社(小野木喜惠子支社長)の横川目局は岩手県北上市のマイナカード申請支援の受託業務を開始。11日に宮宿局、大谷局、西五百川局が山形県朝日町の同業務、14日には九州支社(豊田康光支社長)の宇検局、宇検久志局、名柄局、阿室局が鹿児島県宇検村の同業務、15日に信越支社(菊地元支社長)の松川局は長野県松川村の同業務をそれぞれスタートした。
12月1日には北海道支社(及川裕之支社長)の津別局、本岐局、北見相生局が津別町の同業務、東北支社の柴田局、槻木局、船迫局、さくら新栄局、丸森局、金山本郷局、大張局、館山局、大内局、筆甫局、小斎局、村田局、沼辺局が宮城県柴田町・丸森町・村田町の同業務、さらに野沢局、群岡局、笹川局、奥川局が福島県西会津町の同業務、信越支社の牟礼局、三水局、高岡局が長野県飯綱町の同業務、九州支社の瀬高局、瀬高上庄局、南瀬高局、原町局、野町局、江浦局、渡瀬局、岩津局が福岡県みやま市の同業務をそれぞれ開始した。
2022(令和4)年度第2次補正予算案には、マイナカードの普及促進に係る対応策強化と利便性の向上に199億円が計上された。自治体マイナポイント事業のほか、市町村による郵便局を活用した申請サポート事業やコンビニが無い市町村を中心に郵便局への証明書交付サービス端末導入支援が盛り込まれている。
「郵便局を活用した地方活性化方策検討PT」は、携帯電話ショップのない自治体や交付率が低い自治体を中心に年内に約1000市町村に働き掛け、年度内に3000局の受託業務開始を打ち出している。
また、マイナカードで住民票の写し等を入手できるキオスク端末配置を、証明書自動交付サービス対応のコンビニがない自治体中心に郵便局への設置を支援。電子証明書の発行・更新に係る業務受託を推進するため、普及率が高いなど効果が期待できる自治体に、積極的に郵便局に委託できないか働き掛けていく。日本郵便にも自治体から積極的に受託を検討するよう要請する。