着々広がる「駅と一体型郵便局」 青森県油川駅局・栃木県蒲須坂駅局

2025.04.20

 郵便局と駅の「一体運営」が一歩一歩、各地で広がりを見せている。東北2例目の青森県油川駅局(蝦名正邦局長)と、関東で3例目の栃木県蒲須坂駅局(木村良行局長)が3月24日、それぞれが同日に開局。両局ともJR東日本の無人駅に郵便局ができ、地元住民らの喜びもひとしお。祝福に包まれた。

油川駅局 直営局では東北初


 直営局では東北初となる駅一体型の油川駅局では、列車の発車時刻や運賃の案内、遺失物の預かりなどを取り扱う。乗車券や定期券等の販売は行わない。
 局舎の外観は油川地区でイワシの缶詰工場として使用されていた西洋館をイメージ。細長いアルミ板を一定間隔で並べたアルミルーバーを用いて、イワシを表現したデザインが特徴的だ。 
(写真左)蝦名局長 (同右)駅周辺の清掃活動をしてきた高校生たち

 
(写真左)切符の回収箱 (同右)くつろげるぬくもりのある局内

 開局式典で東北支社の小野木喜惠子前支社長は「お客さまが便利に快適にご利用いただける駅・郵便局に」と願いを込め、西秀記青森市長は「地域コミュニティーとしての拠点性が高まり、住民の利便性向上や、公共交通の利用促進に大きく貢献する」と期待を寄せた。
 JR東日本盛岡支社の大森健史支社長は「今回の郵便局と鉄道の連携は、人口や働き手の減少といった社会課題を解決する取り組み。より多くの方をお迎えし、より愛される場所に」と強調。蝦名局長は「地域が発展できるよう盛り上げていきたい」と抱負を語った。

蒲須坂駅局 宇都宮線唯一の無人駅に


 栃木県内初の駅一体型局の蒲須坂駅局は、JR宇都宮線唯一の無人駅だった同駅に蒲須坂局を移転・開局。周辺に大きな産業団地や住宅建設、スマートインターチェンジが設置予定の同駅は乗降客増も見込まれる。木材のぬくもりある局舎では局窓口業務に加え、乗車券精算や案内等業務を行う。乗車券や定期券販売は行わず、交通系ICカードへのチャージで対応する。

地域活性化計画と共に利便向上を

 開局式で関東支社の丸山元彦支社長は「大変好評な江見駅局、安房勝山駅局に続き、関東では3例目の蒲須坂駅局も、さらに地域のお役に立ちたい」と意欲を示した。JR東日本大宮支社の石井剛史支社長は「郵便局も鉄道も地域と密接に連携して運営する共通点がある」と強調。
 花塚隆志さくら市長は「開業102年の蒲須坂駅の新時代の幕開け。住宅や道路、公園も整えたい」と喜びを見せた。木村局長は「地元の方々に利用いただき、地域活性化に貢献したい」と語った。青空に桜模様が映えるラッピングポストも披露された。