ネット注文、郵便局で安心! 熊本県八代市で実証スタート

2022.12.12

 熊本県八代市内で12月1日、市内21局にタブレット端末を設置し、食品や日用品などネットで注文した商品をゆうパックで配送する総務省の実証事業「やつしろonlineストア」がスタートした。局長・社員がサポートする。2年前の豪雨で甚大な被害を受けた坂本地区をはじめ、まちに希望の笑顔が広がった。

マイナ申請支援も市内5局で

 今もなお、豪雨の爪痕が残る坂本地区。国道は一般車両の通行が制限され、復旧工事の音が終日響く。道の駅や「さかもと復興商店街」は集客もままならず、日常の買い物や観光振興も閉塞感が漂う中、11月28日からはマイナンバーカードの申請支援業務を市内5局で開始。さらに、今回の実証で全国的に注目を集めることになった。

 坂本局(深田啓介局長)で行われた開始式で、総務省郵政行政部の松田昇剛企画課長は「地域の課題に郵便局が積極的に関わることで解決を図りたい。八代市がモデルケースとなり、全国に広がっていければ」と展望した。

豪雨被災地に希望の光灯す

 中村博生市長は「2月末までの実証から本格運用へとつながることを願う。豪雨で他の地域に移った方が〝よか坂本になったばい。また坂本に住みたい〟と言ってもらえる契機に」と思いを述べた。
 九州支社(豊田康光支社長)の桑本寿之副支社長は「地域あっての郵便局。約2万4000のネットワークを生かして地域に貢献を」と意欲を示した。
 終了後には、坂本地区の喜多岡信一自治会長が早速、坂本局での注文に初挑戦した。商品は日用品から食品、特産品を詰めた道の駅の「復興支援パック」など約230品目がずらり。「自分一人でやるのは難しいが、郵便局の方がそばで教えてくれるなら安心だ」と顔をほころばせた。

 開始式には日本郵便地方創生推進部の山田協部長、熊本県南部地区連絡会の寺本猪一郎統括局長(緑川)、神園交通の神園久二子社長らが出席した。