生きる!地域と 岐阜県東美濃地区連絡会

2022.12.08

 1300年の歴史を誇る美濃焼や、大正時代からのタイル産業など、岐阜県東美濃地区連絡会(春田宣康統括局長/多治見市之倉)のエリアは匠の伝統が息づいている。今年5月に東海支社(中井克紀支社長)が東美濃6市1町と同支社初の広域包括連携協定を締結した際、橋渡し役を担った春田統括局長に地方創生への思いを伺った。

6市1町広域連携を橋渡し

 今年、開局100周年を迎えた多治見市之倉局。初代局長の加藤福壽氏(五代目加藤幸兵衛)は〝美濃焼の父〟と呼ばれ、春田統括局長の親戚に当たる。今回、幸兵衛窯に依頼し、加藤氏の名前「福」をかたどった記念の陶器製コインを作成した。
 

 春田統括局長は「福の字の偏には郵便マーク(〒)が入っており、福を届けたいとの思いで作った。陶磁器産業は斜陽化だが、窯の火が一つずつ消えていくのは寂しい。4年前には東美濃を舞台にしたNHK朝ドラ『半分、青い。』の陶器製ピンバッジを約3000個売り上げ、知事にもつけていただいた。思いがあれば、必ず道は開けるはずだ」と強調する。
 5月に広域包括連携協定を結んだ6市1町(多治見市、中津川市、瑞浪市、恵那市、土岐市、可児市、御嵩町)の総人口は約44万人に上り、「東美濃ブランド」の向上へ一体となって取り組んでいる。その結節点として、郵便局への期待は大きい。
 今年は「タイル名称統一100周年」を迎え、9月には女性社員の有志「〒ajicco(タジッコ)」が菓子の名店とコラボし、タイル装飾のケースに焼き菓子を入れた商品を企画し、話題を呼んだ。
 11月に開催された世界ラリー選手権は恵那市と中津川市が会場となり、記念のフレーム切手を販売。中津川市にはリニア中央新幹線の駅が誕生予定で、東美濃一体での観光振興も検討されている。

夢かなえ、地元に光を!

 他にも、同連絡会はアイデア満載の施策を実施してきた。「アンパンマン」の作者・やなせたかしさんがデザインした多治見市マスコットキャラクター「うながっぱ」の「うちわ型のはがき」付きレターセットや記念切手を作成。


 2種類の切手シートの絵柄は数カ所異なっており、〝間違い探し〟を楽しめる工夫も。やなせさんの出身・高知県と交流も進め、高知の山北みかんと岐阜の栗きんとんを10年ほど交流販売している。
 さらに、多治見市出身の絵本作家・あだちなみさんの夢が〝切手をつくること〟だと知った春田統括局長の尽力で12月6日、あだちさんの人気シリーズ「もりのがっこう」の描き下ろしによる特殊切手「絵本の世界シリーズ第6集」が発行され、風景印等も作成された。
 
 
 春田統括局長は「一人の方の夢がかない、地元が盛り上がれば何より。今後、連ドラや大河ドラマ等でも各地区が連携を取って、地域を元気にしていけたら」と思いを語った。