社説 小さな一歩踏み出して

2021.11.11

 「今回評価した信頼回復活動は失った信頼を回復するお詫び行脚が中心で、いわばマイナスをゼロに戻すための第1フェーズの活動に過ぎない。これから本格的に顧客との信頼を構築していく次のフェーズの活動に移行していただきたい。(中略)。さらに高みを目指して進んでいっていただきたい」

「お客さまを不在に考えているように思える」

 JP改革実行委員会の梶川融座長は9月22日の委員会で、第2フェーズに入ることを促した。日本郵政グループは、先般、「新しいかんぽ営業体制」も発表した。2022(令和4)年4月から23年度へと段階的に数値目標も決められていくと思われる。
 今年4月から営業は一応再開されたはずだが、数値目標が全くないまま進む現場は、目の前に霧がかかっているようなつらさもあるようだ。
 多忙な現代人にとって金融商品も勧められない限り、何も言われずに契約するケースは少ない。
 ある局長は「営業が実質はまだ止まっている状況の中で、病気にかかる方もいれば、入院する方もいる。そうした時に少しでもお守りし、『あなたに勧められて良かった』と言われるのが郵便局の役目。そのために地域に根差している。今の状況はお客さまを不在に考えているように思える」と話す。
 活動プロセスの評価も大切だが、それで4月まで助走しているということなのだろうか。日本郵政グループ3社は上場企業。四半期ごとに改善を図るのは大規模のために難しいのかもしれないが、せっかくある郵便局をもっと生かしても良いと思えてしまう。
 信頼回復の途上の中、ほんの小さな目標だとしても、あってこそ動けることもある。
 「お客さま本位」という最も大切な言葉を、形だけ一人歩きさせてほしくない。