かんぽ生命 2022年3月期第1四半期決算

2021.10.07

 かんぽ生命の第1四半期決算は減収減益となった。

新契約に じわり動きが

 4月にお客さまへの積極的なご提案を再開したことに伴い、新契約年換算保険料は個人保険が116億円(前年同期比93.0%増)、うち第三分野は4億円(同72.8%増)と動きが出てきたが、保有契約減少等に伴い、保険関係損益は減少したが、キャピタル損益の改善等により、連結経常利益を920億円(同31.6%増)確保した。
 ただし、キャピタル損益は価格変動準備金と相殺されるため、連結四半期純利益は412億円(同11.8%減)を計上した。5月に実施した自己株式の取得(3588億円)に伴う連結純資産の減少等により、EV(エンベディッド・バリュー=生命保険会社の企業価値を示す指標)は3兆7711億円(前期末比6.3%減)となった。
 かんぽ生命は22年3月期の普通配当を1株当たり90円とし、中間・期末の2回を予定。25年度までの新中期経営計画期間は原則、減配を行わず、増配を目指していく。
 かんぽ生命の北村嘉啓主計部長は「新契約年換算保険料は昨年度同期より増えたが、一昨年度同期の1割強の水準であり、依然厳しいという認識。ご契約内容確認を中心としたアフターフォローは順調に進んでいるが、この活動から具体的な提案につながっていないことが一因と考える。対応策として、満期を迎えたお客さまに対する丁寧なご意向確認、提案活動を着実に実施する。また、来年4月に向けて新たなかんぽ営業体制構築の準備を進め、10月から先行し、コンサルタントの保険専担化を予定している。こういった取り組みを通じて、営業活動全体を活性化させていきたい」と見解を示した。