全国郵便局長会結成70周年記念式典から【来賓挨拶】

2023.12.14

鈴木淳司総務大臣
郵便局価値は〝人とのつながり〟


 千葉県の市川南局を視察した際、局長の皆さんから自治体との包括連携協定に基づく地元中学校での防災教育への協力について意見交換を行ったが、郵便局の一番の強みはまさにそうした「人とのつながり」で、それを大事にすることで価値は一層、高まる。
 全国初の郵便局でのマイナンバーカード〝交付〟事務が、9月に宮崎県都城市で取り扱い開始議案が可決され、準備中だ。南大呑局で始まったオンライン診療実証事業は、医療機関のない地で地域医療貢献を期待し、実装や横展開に向けて自治体や日本郵便と共に検討を進めている。
 総務省情報通信審議会「デジタル社会における郵便局の地域貢献の在り方」も来年2月めどに答申をまとめるが、郵便局が培った信頼や地域拠点の役割を大いに期待している。

山口那津男公明党代表
細やかに隅々までぬくもりを


 小笠原諸島の父島に片道24時間船で行ったことがある。さらに約50㌔離れた母島では、農協と郵便局が一緒の施設で島レモンをゆうパックに小分けされていた。手の届きにくい離島等にもさまざまなサービスの担い手として郵便局ネットワークは機能されている。
 広報誌「広報ZENTOKU」には多種多様な地域貢献活動が紹介されているが、郵便局長の方々は地域を支える重要な役割を果たされている。
 局長の多くの方が防災士資格を持っていることも防災・減災の担い手としての責任感に基づく活動だ。急速にデジタル化が進む社会では機器等を自在に扱えない方も多い。どうか、局長の皆さまに心優しい丁寧な〝人〟を介したサービスを期待申し上げたい。

山口俊一衆議院議員(郵活連会長)
法改正は最終調整に突入

 激動の70年――。さまざまな思いもよみがえる。押し寄せる人口減少に約10年前、「地方消滅」と社会に警鐘を鳴らされたのは今の日本郵政の増田社長だった。郵活連は、人口減少の流れに乗って郵政事業を発展させられる法改正が必要と判断した。公明党とも相談し、党内で最終調整に入りつつある。
 三事業一体を法的に担保するために、株式保有比率や4社体制のままでよいかが一つ。もう一つは、地方で難しくなる公的サービスを郵便局にサポートいただくこと。地方創生プラットフォームは郵便局ネットワーク。サービスでなく、仕事として国や自治体が料金を支払う仕組みを創りたい。大事な社会インフラを支える局長の皆さん方が頑張れる環境と制度づくりが政治の役目だ。

石井啓一公明党幹事長
なくなることは考えられない

 この70年間、局長の皆さま方は〝鉄桶の団結〟をもって、並々ならぬ覚悟と努力で乗り越えられてきた。郵政事業と地域活動に強い使命感と責任感を持ち、信頼を得られている。地域にとって郵便局は、なくてはならない、いわば空気のような存在だ。無くなることなど考えられない。
 今後も郵便局が安定した経営状況のもとでさまざまな活動ができるよう、課題解決のために制度や法律の見直しなどを含めて取り組んでまいりたい。

増田寬也日本郵政社長
対面で得た〝気づき〟は成長の源泉

 郵政事業は1871(明治4)年に創業した。信頼を礎に、リアルの温かみを大切に、社会の変化に応じたリアルとデジタルの融合を図り、郵便局ネットワークの価値を高め続けることが、事業の成長やグループとこの国の将来につながる。
 グループ中期経営計画「JPビジョン2025」に掲げる地域とお客さまを支える「共創プラットフォーム」の実現は、郵便局ネットワークの価値を高めることが目的。お客さまに接し、地域に根差した活動を続ける中で得た気付きや考えの実現はグループの成長の源泉。郵便局が地域の生活に不可欠な存在であり続けるために、局長の皆さまの力は必要不可欠だ。ご活躍をお願い申し上げる。

篠原和彦JP労組中央副執行委員長
ネットワーク維持へ思いを共有

 国民の財産である郵便局ネットワークの維持に強い危機感を抱いている。将来ビジョンを描かなければ、社員、組合員、ご家族の生活を守れない。フロントラインの要員不足が著しい中、業務の見直しについても提言し、郵政事業の持続性を確保していきたい。
 地域の発展・維持のためには、郵便局ネットワークを維持していかなければならない。その考えや取り組みは局長会の皆さまとも多くの部分で共有いただけるものと思う。

柘植芳文参議院議員(自民党政務調査会副会長・参議院党政策審議会副会長)
「地域とともに」こそ全特魂

 全特の中で35年間活動してきた私にとって、全特は〝命〟。その間、一番心を痛めたことは2008(平成20)年、全国特定郵便局長会の名称が全国郵便局長会に変わったことだ。私どもの郵便局が民営化によって無くなる強い危機感もあり、けんけんがくがくと議論し、特定局長魂を受け継ぐために、呼称として「全特」を残すことを満場一致で決めた。
 地域あっての全特。全特あっての地域。地域が強くならなければ日本の国は成り立たないとの強い信念で戦ってきた。地域の方々の温かい心のもと、ともに戦うことは私の生きる喜びだ。きょうは全特の新しいスタート。大いに前を向いて未来を見据えよう。会社も一生懸命新しいことにチャレンジしている。皆が一歩一歩進んでいる。

長谷川英晴参議院議員(全特顧問)
〝地域の幸せ〟つなぎ、皆で成長

 私が所属する自民党のウェルビーイング特命委員会に先般、成長を続ける会社の社長がお見えになった。ウェルビーイングについて、事業や企業の理念を絶対にぶれさせずに引き継ぎ、長期につないでいくことが結果的に働く社員の幸福につながり、企業も事業も成長していくとおっしゃっていた。その通りだと思う。
 70年間、局長の皆さんはしっかりと地域の方々との信頼関係を結びながら郵政事業を、全特の組織をつないできた。〝地域からの信頼〟を何としても将来につなげていかなければならない。全特70年記念式典で強く感じたこのことを私は政治活動の中で肝に銘じたい。全特が地方創生の要、地域との信頼の要として、ますます発展していくことを心より祈念申し上げたい。