生きる!地域と 島根県浜田市
〝美肌の湯〟として知られる美又温泉(島根県浜田市)を応援しようと、石見西部地区連絡会(齋藤哲史統括局長/畑迫 ※取材当時)は市や旅館組合、島根県立大生と協力し、入浴剤「美又の湯」を郵送する専用封筒を作成した。その後押しを受け、3月15日に発表された「温泉総選挙2022」(環境省、内閣府、総務省、経済産業省、観光庁後援)では美又温泉が省庁賞首席の「環境大臣賞」に輝いた。その栄冠への軌跡を関係者に伺った。(写真は奥本局長(右端)、森川係長(左から2人目)が学生らと共に)
「環境大臣賞」美又温泉を全国PR
何とも不思議なお湯だ。無色・無臭だが、湯をかけると肌が明るく、すべすべになる。田邨雅志副統括局長(石見今市)は「石けんが洗い落とせていないのではと勘違いされるほど潤いが続く。美肌の湯の魅力を県内外にぜひ広めようと、約1年前から協議を始めた」と振り返る。
プロジェクトは金城町の今福局(小川慎二局長)・雲城局(宮木竜一局長)・波佐局(奥本智之局長)が中心となり、市や旅館組合、島根県立大学の田中輝美准教授にも協力を仰ぎ、地域政策学部2年(当時)の大本桜子さん、端本千夏さんがオリジナル封筒のデザインを担当。若手社員も加わった〝美又温泉チーム〟一丸で取り組んだ。
市・旅館組合・学生とコラボ封筒作成
浜田市金城支所の森川学産業振興係長は「小規模な温泉だが160年の歴史がある。学術的・医学的調査で泉質はpHが9.9と高く、メタケイ酸が豊富。皮膚のバリア機能を高める効能により保湿効果が得られ、皮膚の乾燥やかゆみが軽減される。前回の温泉総選挙2021では『うる肌部門』で全国1位となった」と強調する。
推敲を重ねて完成した封筒は温泉街をイメージし、ほっこりするデザイン。家族や友人宛てに心温まるメッセージを書き込める欄もある。1月に54局で販売するや反響を呼び、数日で完売。市役所に表敬訪問した折には、久保田章市市長も喜びを見せた。
田邨副統括局長は「市とは包括連携協定を結んでおり、観光PRへの一助となればと取り組む中、皆が喜ぶ施策が実現できた。第2弾でも継続して地域貢献施策ができれば」と意欲を燃やす。
田邨副統括局長
森川係長は「週末など多くの観光客が温泉街を訪れており、郵便局の皆さんのPR効果もすごく出ていると思う。今後もさらに連携を深めて美又温泉の魅力をアピールしていきたい」と期待を寄せる。
美又温泉周辺では「地域まるごと6次産業化」に取り組んでおり、地元産の黒米や黒大豆を、豆腐やおから、焼酎などに加工・販売しており、局スペースでの無人販売等も期待される。地域の力を結集し皆を笑顔にする〝郵便局ならでは〟の取り組みが、ますます広がりを見せていくだろう。