金融営業は〝お客さま本位〟で 増田日本郵政社長

2023.03.14

 日本郵政の増田寬也社長は2月7日の記者会見で、来年度の金融営業について「ゆうちょ銀行(かんぽ生命も)は、商品を販売する社員にヒアリングし、営業の在り方を整理中。フィデューシャリー・デューティー(顧客本位の業務運営)を堅持し、お客さまに寄り添い、資産形成に資する販売体制を現場の声を基に2月から3月にかけて決定する」との方針を示した。また、「1円玉貯金箱等の対応が以前とは異なるシステムにはさまざまなご意見もいただいた。手数料は上げざるを得ないが、お客さまに別の手段で喜ばれるやり方も考えたい。私の大きな宿題だ」と思いを明かした。

「ローカル共創イニシアティブ」2期へ

 増田社長は、4月から「ローカル共創イニシアティブ」第2期に選出した社員2名を北海道厚真町と福島県国見町に派遣し、今年度第1期8名も各地で農福連携や物流ネットワークを活用した共助の仕組み作りなど地域と密接に企画を練っていると報告。
 一方、日本郵便の「+エコ郵便局」が今年度中に8局完成し、7局目の北海道当麻町の当麻局にはCLT(強度が強く環境に優しい木材)はもとより、木質バイオマス熱利用設備の初導入にも喜びを見せた。
 記者団の「局の昼休み導入延期の理由は」との質問に対し、「地域事情を考えると一律にはいかない。お客さま目線で仕事に差し障りないようにする」と答えた。「改めて楽天との資本提携の展望を」には「一番優先したいのは荷物。JP楽天ロジスティクスの営業優先で、楽天との提携効果を生み出していきたい」と強調。「協業する事業者選出の観点とは」には「社員の派遣先など社会的な事業を展開する団体とのつながり強化はグループにプラス」と説明した。
 「来年度の金融営業方針は」には「3月にかけて決定し、周知する」と述べた。郵湧新報の「貯金箱対応が以前のようにはできなくなったことが残念がられたりもしているが、受け皿的な仕組みは」には「大変重要なこと。今のままで何もしないでよいのか。日本郵便とゆうちょ銀行に1年間の声を分析し、考えてもらうよう話をしている(同)」などと語った。

ユニバーサルサービス=ソーシャルビジネス
社会課題共有のサミット開催

 日本郵政は3月2日、本社前島ホールで、社会の隙間を満たすソリューション、「ユニバーサルサービスの可能性」を探る目的で「Social Co-Creation Summit Liquid(ソーシャルコークリエーションサミットリキッド)2023」を開催した。デジタル庁の村上敬亮統括官、㈱飫肥社中の崎田恭平代表(前日南市長)、コミュニティナースカンパニーの矢田明子代表、日本郵政の増田社長が基調講演を行った。(後日詳細)

(左から)村上統括官、矢田代表、増田社長、崎田代表