増田社長 物流反転、マイナ支援に意欲
日本郵政の増田寬也社長は11月11日、2023(令和5)年3月期中間決算記者会見で、「マイナンバーカード申請業務の取り扱い局数はそれほど増えていない。携帯電話代理店がある市町村はそれら店舗を通じて支援業務を委託しているようだが、ない市町村はかなりある。郵便局も都市部も含めてマイナカード申請支援業務を手広く行いたい。政府の方で今、そのためのコストを準備してくだっている。いただきながらマイナカードのサポートを進めていきたい」と明かした。
「窓口が新ビジネスを取り込めるように」
記者団の「中期経営計画の約3分の1が経過される中、今後、どこを伸ばしたいか」との質問に対し、「来年は計画の振り返りにも取り組まなければいけない時期になるが、利益化したい分野は不動産。将来的な大玉として伸ばしていきたい。郵便事業は下がっていくため、物流を伸ばしたい。ゆうパックも同業他社との価格競争で苦労しているが、荷物量だけ増やしても必ずしも収益につながらない。協業する佐川急便様から日本郵便の配送ネットワークは魅力的と言われ、佐川様はこちらが持たない冷蔵、チルド等々を持つ。幹線輸送などは別々に走らせるより共同化した方がよい。郵便の落ち込みを打ち返せるよう物流を押し進めたい。JP楽天ロジスティクスで成果が出ているが、もっと伸ばせる。楽天共々年末にスーパーセールを開催するようだが、そうした協業を伸ばしたい」と意欲を示した。
郵湧新報の「郵便局窓口の営業体制の来年度の方針等は」には、「『みらいの郵便局』を目指し、窓口社員の負担やお客さまの待ち時間など、利便性を損なう部分は必ずしも人手を介さないようデジタル化を進めたい。それにより社員も新たなビジネスに費やす時間を生み出せると思う。窓口が新ビジネスを取り込めるようにすることが大事だ。マイナカードも含めて自治体業務を受託、または、新しい分野で、例えば相続等、高齢化社会で増えていく財産相談等をビジネス化していきたい」と語った。