物流共創企業の決算状況 ジャーナリスト 大久保冨士鷹

2024.09.25

ヤマトホールディングス

 ヤマトホールディングスの2025(令和7)年3月期第1四半期連結決算では、宅配便3商品(宅急便、宅急便コンパクトなど)の取扱個数は、消費の低迷で小売部門は減少したが、法人部門の増加により、全体では6四半期ぶりに前年同期を上回る4億5124万5000個(2%増)だった。
 営業収益は前年同期比3.5%減の4056億円、営業損益は前期の15億円の黒字から142億円の赤字に転落した。時給単価の上昇やパートナー企業への委託費用の増加などが要因。

SGホールディングス

 SGホールディングスの2025(令和7)年3月期第1四半期連結決算では、デリバリー事業の取扱個数は飛脚宅配便とその他の合計で、前年同期比3.4%減の3億2900万個だった。実質賃金の低下や宅配便需要の弱含みが続いていることが要因。
 ただ、宅配便の運賃適正化が進んだことなどから、営業収益は5%増の3345億円、営業利益は4.1%増の195億円と増収増益を確保した。

楽天グループ

 楽天グループの2024(令和6)年度第2四半期連結決算では、成長投資ビジネス部門の中心に位置付ける物流事業は、売上収益については前年度比で増収となったが、赤字幅は縮小したものの、営業赤字は続いている。同社は「適正な価格設定により赤字改善は加速している」としている。
 物流事業を含む成長投資ビジネス部門全体の売上収益は8.4%増の315億円だった。営業損益は87億円の損失。