改正法、重要法案の位置付けを
通常国会で改正郵政民営化法案の提出・成立に向けて審議スケジュールが間に合うか、また、抜本的に郵政事業の仕組みを見直す法改正がなされるのかを多くの郵政関係者が固唾をのんで見守っている。見直し法の素案5項目のうち、望まれる改正項目は立場により差異はあるが、今のままでは将来、日本郵政グループが一時的、部分的には改善できても総体としての本質的な成長につながらず、やがては行き詰まるとの危機感が共有されている状態だ。自民党内、与野党の調整を控えているが、政府が後回しでなく、国と地方を守るための重要案件と見据え、議員立法の中で先行審議法案に転じられるか、政治姿勢も問われている。
議員立法、水面下での準備進む
「郵便局の新たな利活用を推進する議員連盟」(山口俊一会長)の見直し法PTは12月18日に幹部会を開催し、その後も主要メンバーで関係者も交えながら協議を重ね、党内手続きを進めている。
現状、民営化法見直し素案5項目は「即、着手すべき事項」と「今後論点整理しつつ検討を進めていくべき事項」に分類されている。「金融2社株式の処分時期を見直し、3分の1超の『当分の間』の保有を義務とする」「郵便局への公的地位の付与(郵便局による公共サービスを含む公的サービスの本来業務化)」「郵便局ネットワーク維持のための財政上の措置」等は「即、着手事項」に位置付けられている。
一方、「日本郵政と日本郵便の合併の必要性を含むグループの組織の在り方、日本郵政グループにおける郵便局ネットワーク維持に要する費用負担の在り方等の検討」や「金融の上乗せ規制緩和」等は「論点整理しつつ検討を進めていくべき事項」と素案に比べると、検討という一歩引いた文言にとどめられた。
「合併等に係る検討条項のイメージ」として「政府は、この法律の施行後2年を目途として、この法律による改正後のそれぞれの法律の施行の状況等を勘案し、郵政民営化法7条の2第1項の基本的な役務の確保を図る観点から、日本郵政株式会社及び日本郵便株式会社の合併の必要性を含めた日本郵政株式会社、日本郵便株式会社、郵便貯金銀行及び郵便保険会社の組織の在り方並びに郵便局ネットワークの維持に要する費用に係るこれらの株式会社の間の負担の在り方等について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする」と記されている。
【公約】
〇郵政事業を取り巻く環境の変化に対応するため、郵便局による公共サービスを含む公的サービスの提供の本来業務化、郵便局ネットワーク維持のための新たな財政上の措置の創設等のほか、日本郵政と日本郵便の合併の必要性を含む日本郵政グループの組織、郵政グループ内における郵便局ネットワーク維持に要する費用負担、上乗せ規制のそれぞれの在り方の検討を図る旨を盛り込んだ法改正を行います。