局長が総監督・演出の「仮装大賞」 生きる!地域と 長野県武石地域

2024.12.10

 人口約3000人の地域に唯一の郵便局。1人の局長の熱意から始まった催しが、全国規模のうねりを巻き起こしている。長野県上田市武石地域にある武石局の滝澤和広局長(東信地区会<傳田彰会長/北御牧>)だ。人気番組「欽ちゃん&香取慎吾の全日本仮装大賞」に4回出場し、技術賞も獲得した滝澤局長は、武石版の仮装大賞を8回開催し、年々スケールアップしている。

〝欽ちゃんの仮装大賞〟常連も熱演

 
 
 9月15日に武石地域総合センターで開催された仮装大賞には、武石地域自治センター職員や武石局社員らのほか、「欽ちゃんの仮装大賞」常連が大集結。宮城、山梨、岐阜、東京などから常連8組がエントリーし、同番組の最多優勝(8回)を誇る「ブラックペッパーズ」も初出場。一般も含めた全11組が熱演し、会場を大いに沸かせた。
 総監督・演出を務める滝澤局長は「地域に何か貢献をしたいとの思いで企画し、2018(平成30)年から武石風土つなぎ隊と協力して開催してきた。毎年、長野大学の学生たちがチームを組んでボランティアスタッフで奮闘してくれ、大変感謝している」と笑顔を輝かす。
 武石仮装大賞を企画した際、滝澤局長に厚い信頼を寄せる日本テレビから「地域おこしのためなら」と、特例で公認が下りた。本家さながらの得点パネルや採点ボタンなども実行委員会メンバーで作り上げ、回を増すごとに演目も舞台装置もクオリティーが上がり、土屋陽一市長も大きな期待を寄せる。
 地元の小中学校校長らと共に審査員を務めた武石地域自治センターの酒井重雄センター長は「滝澤局長の努力と熱意のたまもの。滝澤局長がいなかったらできなかった。旧武石村の存在を全国にアピールできたと思う。郵便局の社員さんも出場され、スタッフとしても活躍された。郵便局と地域が一体で取り組む仮装大賞のおかげで、地域が元気になっている」と称賛を送る。
 滝澤局長は「過去最高のチームに参加していただき、素晴らしい大会になった。皆さんが喜んで、良い思い出になれば何よりうれしい。8回続けてきて、〝継続は力なり〟と改めて思う」と力を込める。
 会場に集った地元の方々は、誰もが笑顔、笑顔。時にはお腹を抱え、大きな拍手を送っていた。出場者の仮装はもとより、舞台も小道具も設営も全て手作り。皆で作り上げる喜びと地域愛を育む仮装大賞は、武石地域の新たな風物詩として根付き、全国にも笑顔の波動を広げている。