目時UPU事務局長、再選へ立候補
UPU(万国郵便連合)の目時政彦事務局長が11月7日(現地時間) 、事務局長再選への立候補をスイスのUPU本部で表明した。目時事務局長は2022(令和4)年1月から現職を務め、任期は25年末まで。日本人で唯一、国連専門機関のトップを務める目時氏は公約にSDGs時代としての環境問題対応やサイバーセキュリティ―も掲げている。総務省で行われた説明 で、国際企画室の青木勇司室長は「25年9月にドバイで行われる万国郵便大会議で選挙が行われる。日本として目時事務局長の再選を支援する」と力説した。(写真は2021年8月に事務局長に選出された際の目時氏)
25年9月選挙 災害支援など実績豊富
青木室長は「UPUは1874(明治7)年に設立され、世界で2番目に歴史の古い国際機関。今年150周年を迎えた。事務局長の任期は4年で、1度だけ再選が可能。目時事務局長は国内外において、郵便、国際分野でトップクラスの方と高い評価を得られており、政府内で目時事務局長再選への擁立が決定された」と明かした。
記者団からの「1期目の成果は」との質問に対し、「昨年6月、UPUとWCO(世界税関機構)の共同会議を東京で開催した折、御厨邦雄事務総局長(写真上㊧、当時)と『東京宣言』を発表し税関における電子化などを推進した。昨年10月にはサウジアラビアのリヤドで臨時大会議を開催し、郵便分野と物流分野等 が協力して、郵便市場 を伸ばせるルールの形成に向けた検討をスタートさせた。さらに、日本政府の拠出金(ジャパンファンド)を活用した途上国の郵便支援なども成果といえる」と語った。
「UPUとしての国際物流の展望は」 には「郵便で出したものを相手国の郵便が運ぶこれまでの考え方でなく、郵便と物流に関わる関係者が協力し、いかに市場を拡大するか方向性や新たなルールも今検討されている」と述べた。
郵湧新報の「他国からの候補は。UPUのシンクタンク機能や災害等リスクマネジメントの拡充も目時事務局長の成果ですか」には、「現段階で対立候補はいないようだが、立候補を受け付ける来年2月から7月までは可能性があるため、日本としても対応していきたい。ご指摘のように、UPUの『シンクタンク機能』として、良い事例をリスト化して、困っている国に対して情報を共有する体制を整備した。また、モロッコ地震など災害時にジャパンファンドの活用で、遅滞なく支援をしたことなども成果として挙げられる」と答えた。