APPU カンボジアで執行理事会を開催
カンボジアのシェムリアップで開催されたアジア・太平洋郵便連合(APPU:Asian-Pacific Postal Union)の執行理事会(EC)が8月16日、組織の改革に関する議論を深め、閉幕した。APPUの存在価値を高めるために、ECでは郵便業務の改善に資する「デジタルライブラリー」の立ち上げを決定し、そのための予算措置も承認された。
「デジタルライブラリー」の創設へ
アジア・太平洋地域の郵便業務に特有な諸問題の解決を図るために1962(昭和37)年に設立され、日本も1968(昭和43)年に加盟したAPPUは万国郵便連合(UPU)にも加盟するアジア・太平洋地域の32カ国により構成される組織。APPUの事務局長はインドのシン氏。財政委員会の議長を昨年から総務省情報流通行政局郵政行政部の青木勇司国際企画室長(写真上㊥)が務めている。
今回、8月12日~16日まで開催されたECにはUPUの目時政彦事務局長(同下)が招かれ、冒頭、現地・カンボジアのマフラーをまといながらあいさつを行った。日本郵便からは斎藤貴執行役員が出席している。
APPUもUPUと同様、4年に1度の大会議を行い、2022(令和4)年はタイのバンコクで開催。大会議から次の大会議の議論を継続するために定例的にECが開催されている。
今回のECでは、APPU改革も議題に浮上し、APPUの立ち位置を高めるためにどうすべきか意見交換が行われた。APPU財政委員会は前年の財政報告を行い、承認を受けて翌年の予算の内容を詰めていく。
財政委員会の青木議長(総務省)は「日本として綿密に準備をして臨み、UPUから目時事務局長の出席があった結果、日本のプレゼンス(存在感)を高めることができ、総体で成功であった」と語っている。
UPU創設150年となる10月9日には、日本で150周年記念切手が発売される。1909年にスイスで制作されたUPU記念碑と森・街・海・陸を羽ばたくハトが描かれた切手シートは、心を通わせる手紙をほうふつさせるデザイン。
UPUは今後、11月上旬に管理理事会を開き、来秋には4年に1度の大会合を控えている。