京都全442郵便局が「子育て応援施設」に
京都府内では妊婦や小学生以下の子ども連れの外出を応援する「きょうと子育て応援施設」として商店やコンビニ等321店舗が登録していたが、今回の包括連携協定により、府内全442局が一斉登録。子育て支援の裾野が一挙に広がった。背景には府内5地区連絡会の統括局長を中心に、若者も住みよいまちづくりに貢献しよう、郵便局の思いをまとめようと自治体に働き掛けてきた各局長の動きもあった。小方近畿支社長は締結式で「今後も定期的に京都府との協議を重ね、連携を深めていきたい」と意欲を示した。府県との包括連携は滋賀、和歌山、兵庫に続くもので、府内は9市町が締結済みとなっている。
赤ちゃん泣いても大丈夫! ぬくもりを伝播
近畿支社の小方憲治支社長から説明された包括連携協定の内容は、①子育て環境日本一実現②地域の安心・安全、災害対策③府の魅力と府政情報の発信④府産品の販売支援、地域経済活性化⑤子ども・青少年の健全育成⑥障がい者支援⑦女性活躍推進⑧環境対策⑨その他――の9項目。
「子育て環境」の具体策では、「WEラブ赤ちゃんプロジェクト」等の啓発活動の参画で、公共の場で泣き始めた赤ちゃんがいても「気にしませんよ」と温かく見守る気持ちをステッカー等で〝見える化〟することで、府民の意識を醸成し、子育てしやすい風土を作る。
府内全442局にポスター掲示、集配事業車4輪約570台、二輪約2100台に車両ステッカーと約3300本の郵便ポストにステッカーの貼付を6月1カ月間実行する。
「子育て応援レーン」設置
もう一つは「『きょうと子育て応援施設』への登録」で、ママ、パパが外出しやすいように「子育て応援レーンの設置」と「ベビーカーでの入店OK、授乳場所がわからない時等の手助け」を実施。府は2020(令和2)年7月から応援レーンを運転免許証や旅券発行窓口など行政窓口のみ3カ所に設置してきたが、民間企業内での設置は京都中央局が初めて。今後は府内の大規模局等中心に順次、レーン設置局を広げていく。
衣川社長は「中期経営計画『JPビジョン2025』に掲げる『共創プラットフォーム』は、さまざまな皆さまとの関わり合いの中で郵便局ネットワークの機能を高められる。グループ全体でデジタル面でのサービス向上も図り、若い方に魅力ある郵便局をつくりたい。子育て環境は若い方々の関心の高い分野だが、府の指導もいただきながら連携を深められるのはありがたい」などと感謝の意を表した。
締結式には日本郵便から京都中央局の太田宗夫局長のほか、京都市北部地区連絡会の村上好治統括局長(京都東洞院錦)、京都市南部地区連絡会の上田浩敬統括局長(京都大原野灰方)、京都府山城地区連絡会の小西収統括局長(下狛)、京都府丹波地区連絡会の石橋松太郎統括局長(神吉)、京都府丹後地区連絡会の河嶋洋文統括局長(天橋立)、長谷部好紀前京都市南部地区統括局長、京都府から岡本孝樹政策企画部長、柴田浩継健康福祉部副部長らが出席した。
西脇京都府知事「人が集まる移住に条約改正」
新型コロナで若者の地方への移住ニーズが高まっているが、もともと京都への移住定住は人気高く、我々も昨年、農林水産業中心だった移住条例を、人が集まれるような移住促進に改正し、進めている。高齢者の方の見守りや災害とか道路のくぼみの通報などいろいろなニーズに対応いただけ、非常に多くのネットワークを持つ郵便局を活用することが地域全体の魅力向上や安心安全度の向上につながる。その意味で今回の包括連携協定は移住定住の促進の一つの材料・要素になる。連携の施策を磨き上げなければいけないが、若者の移住定住促進はぜひ取り入れていきたい。