電子証明書はデジタル社会のカギ
マイナンバーカード(以下、マイナカード)に搭載される電子証明書の発行・更新手続き事務受託が5月10日、九州支社(豊田康光支社長)管内の「イオンモール都城駅前内局」(樋口剛局長)で始まった。電子証明書は公的個人認証、本人確認に重要なツールとなるもので今後のデジタル社会のカギを握るといわれる。自治体以外の民間企業が電子証明書手続き事務を受託するのは全国初。郵便局としての第1弾となる。局前を通った市民は「買い物ついでにこうした手続きができるのはすごく便利」と話していた。
郵便局受託第1弾スタート!
九州支社 交付率全国一の都城市で
「都城市マイナカード関連事務郵便局委託に係るサービス開始セレモニー」で、池田宜永市長は「行政サービスを進める上でデジタル化は避けて通れない。マイナカードは大事なインフラと思い、進めてきた。現時点で市の交付率は78%超と市区の中では全国一。カードを取得した市民が電子証明書の更新等をするために市役所や支所だけでなく、市が委託した郵便局で手続きいただけることに感謝申し上げたい。需要が高まれば他の郵便局への拡大も考えられる」と喜びを見せた。
宮崎県南部地区連絡会の中原泰朗統括局長(山田)は「暗証番号が分からなくなり、支所に行った経験があるが、マイナカードは交付後の事務が大変なことを実感した。法改正のもと、それら事務が郵便局でできるようになったことはありがたく、一層市民の方々の利便性向上に努めたい」と意欲を示した。
地方公共団体情報システム機構(国・地方の共同管理法人〈総務省・デジタル庁所管〉)の松元照仁理事は「マイナカードや電子証明書のシステム全般を運営する機構は、郵便局初となる事務受託の準備に携わった。政府一体で年度末にほぼ全国民のマイナカード取得に取り組んでいるため、今後、電子証明書の更新がかなり増えるだろう。暗証番号の変更はネットでもできるが、ロック解除はできない。重要なロック解除を郵便局でできるようになった。委託する自治体も増えると予測する」と指摘した。
機構は現在、電子証明書とスマートフォンの連携、運転免許証等との一体化、マイナカードの海外使用などデジタル社会の基盤づくりに取り組んでいる。
セレモニーにはこのほか、長友潤治市議会議長、九州支社の山内義和経営管理部長も出席した。
終了後の立ち合い会見で、イオンモール都城駅前内局の樋口局長は「局では市のプレミアム商品券交付も受託し、市全体の4分の1のお客さまがこの局で引き換えられた。モール内は市の出先機関が新規申込を受け付け、マルチコピーで証明書や住民票の写しも取得できる利便性の高い場所。社員6名、パートの方2名計8名で土日も交替で出勤しているが、大変忙しい」と語った。
また、「マイナカード取り扱いは6名の社員のみが対応する。さまざまなマニュアルのもと研修を重ねた。更新作業はスムーズにいけば一人10分強。20~25分かかる場合もある。マイナカードで本人確認をした上で、申請書を書いていただき、タブレットで写真を撮って市役所に送付し、手続を進めて良いか否かを市に承認いただく。非常に大事な個人情報のため、市と郵便局とダブルチェックを行い、偽造等の疑いもないことを確認した上で対応する」と説明した。