注目される「局を防災拠点」

2022.04.19

 静岡県伊豆市と東海支社(中井克紀支社長)の伊豆市内10局が今年2月に締結した包括連携協定の筆頭に、「郵便局を防災拠点に」と掲げられたことが、地震の多い昨今、社会的にも注目されてきた。

伊豆市と市内局の包括連携

 日本郵便は全国1741の自治体のうち、すでに7割と包括連携協定を締結し、防災協定も多くが締結しているが、内容の多くは避難所の臨時ポスト等や災害情報収集にとどまり、郵便局そのものを防災拠点とする協定は全国的にも珍しい。
 大規模災害時、自治体には全国からの支援物資が寄せられるとともに、住民の安否や被害情報が集まるため、物資を被害レベルに応じて整理し、分配しなければならなくなる。また、指定の避難所まで行けない人や自宅の損壊はなくてもライフライン寸断により、物資や給水所が必要になる人たちも出てくる。
 今回の包括連携協定により郵便局の駐車場を物資の分配拠点とし、配達含め地域に密着する郵便局が被害の詳細情報を集約する拠点の役割も担うことで、〝地域防災力〟を高めることが市から期待されている。

菊地伊豆市長 災害時途絶える情報網
市民を守る!長く地域知る郵便局に期待

 伊豆市の菊地豊市長は報道陣に対し、「市が一番心配なことは大災害時に情報が入ってこないこと。そうした事態を想定し、長い間、地域をくまなく知っている郵便局であれば広範にカバーいただける可能性がある。絶対に死者は出さないことが最大の目標。そのために郵便局の力もお借りする」と切実な思いを明かしている。