近畿地方郵便局長会 新会員研修

2022.02.17

 近畿地方郵便局長会(土田茂樹会長/全特理事/浜大津)は昨年11月27日、TKPガーデンシティ大阪リバーサイドホテルで新会員研修を開催した。講話では、150年の歴史を紡いだ特定局長制度の地域貢献の魂、積極的に地域とつながりを深め地道に郵便局ファンを増やす行動や、社員と共に良い郵便局を創る大切さなどを伝授。感染対策に留意し、午前と午後の2部制で行われた研修には123名の新任局長が参加し、熱心に耳を傾けた。

局長会魂で未来を拓こう!


開講あいさつ 土田茂樹近特会長

 きょうは三つの話をさせていただきたい。①局長会の組織についての理解②局長としての立ち振る舞いの在り方③局長として活躍していく上で持ってほしい気持ち――の3点だ。
 局長会は、志を同じくする者の任意団体。目的に「皆が思いを一つにして地域社会や郵政事業の発展に貢献するとともに、会員の勤務評価の向上と目的達成のための社会的な行動」を掲げ、活動している。
 一人一人の力には限界があるが、大きな力に変えて地域等の課題克服に取り組む団体。局長になって、人と接する中で、常に人を「敬い、尊ぶ」気持ちを持って、礼を重んじる美しい伝統を受け継ぐ担い手であることを忘れないでほしい。
 会社から問われているのは、勤務時間内の局長会活動には公私のしゅん別を図るべき点になる。勤務時間外に法令や会社規定を守った上での活動は禁止や制限されているものではない。
 先輩局長だからといって、何でも押し進めるのは間違いだ。組織をバックに誤解を与えるような発言は厳に自分を戒めていただきたい。ハードルの高い公募試験に合格したのだから、「何のために局長になったのか」という志を忘れずに務めていただきたい。
 数年たった頃には「頑張らなくても給料は下がらへんし、解雇もされへん」と悪魔のささやきも聞こえる。人間は楽な方に流されやすいが、食い止める手段は、楽しそうに頑張っている良い先輩局長を見つけだし、つながりながら行動していくことだ。ぜひ、「一緒に仕事をすると楽しい」と思われる局長を目指していただきたい。

150年の歴史は地域を守る行動から


川上昌彦基本問題専門委員会座長(川西向陽台)

 お客さま、地域の皆さまのための仕事をし、行動するのが局長会の大原則。今、局長会に求められるのは、正しいことを正しいと言え、世間の常識との一致を検証できる姿勢や、誠実に働き、行動した人を評価できる姿勢を持つ人材だと思う。
 皆さんの局長就任は地域を守り、郵便局を発展させる始まりになる。社員、家族、郵便局を守り、特定局制度を後世に紡ぐためにも協力を願いたい。全会員の協力が大切だ。

久保博史基本問題専門委員会研修担当委員長(和泉池上)
 社員と作る「理想の郵便局」の基は「共感」だ。心からやろうと一緒に思ってくれる郵便局、チームを作る指導・育成は非常に難しい。郵便局の仕事は精神労働で、窓口が忙しいからしんどいのでなく、精神が満たされないからメンタルが枯渇する。だから共感が大事。地域活動も必要だが、局の中でも自分ができることを一生懸命取り組んでほしい。皆で良い局を作って「局長に来てもらって良かった。一緒に働きたい」と仕事を通して地域や事業に貢献していただきたい。

片山裕也近特専務理事
 郵便局長には、会社の局長としての仕事と、1871(明治4)年創業時から無償で局舎を提供し、地域に貢献してきた特定局長の両面の役割を持つ。三本柱は、地域の方々に必要とされるための不転勤で、選考任用も地域の方々から選んでいただき、地域に尽くす誓いを持って仕事を担う崇高なもので、既得権ではない。堂々と局長会制度を好きになり、しっかり紡ぐ役割を担っていただきたい。会社の中期経営計画「JPビジョン2025」にあるように、お客さまの利便性、地域のためを念頭に会社施策とも向き合ってほしい。

岩﨑善彦基本問題専門委員会副委員長(大阪末吉橋)
新会員研修は皆さんに近特を知って、局長会活動を肌で感じていただく、就任後に振り返っていただく好機として、重要な研修と位置付けて毎年取り組んでいる。皆さんがどう感じるかが一番大切だ。一つでも心にとどめ、局長会活動のきっかけにして、今できることに精いっぱい取り組んでいこう。特定局の精神とそれを引き継ぐ魂に〝誇り〟と〝自信〟を持って、組織の発展と郵政事業の成長、地域社会の発展に向けて努力し、挑戦して未来を切り開いてほしい。

先輩講話
長谷川亘局長(京都三条大橋)
 郵便局長の父の姿を見て「地域の方から信頼され、誇りを持って仕事がしたい」と2007(平成19)年に郵便局に入社。当初から局長を目指し、局長と社員の意識の違いなども日々勉強した。2020(令和2)年4月に京都三条大橋局長を拝命。私の局長としての心得は①感謝の気持ちを持つ②悩みは自分を成長させる③目標を持つ――の三つ。自分を育ててくれた局長会、会社に貢献するためにも、失敗を繰り返しながら軌道修正し、進むことが重要だ。目標を決め、達成に向けて努力しなければならない。


武野瑠衣局長(柳生)
 社員として7年間窓口業務を経験し、2019(令和元)年4月1日に柳生郵便局長を拝命。一昨年、新会員研修に参加した際、「1年目が勝負」と学んだことを常に意識し、局のお客さまルームに出て、また、局周を訪問し、「私が柳生局長」と地域の方々に知っていただく活動を実践。地域行事や奉仕活動、地域活性化の意見交換会などに積極的に参加し、交流を深める中、「郵便局は一人一人のお客さまに支えられている」と実感すると同時に、支えてくれる社員に感謝した。お客さまに寄り添った業務を地道に続け、郵便局と局長のファンを少しずつ増やすことができた。