日本郵便×寺田倉庫 全国初、防災に特化したトランクルーム
日本郵便と寺田倉庫は2月1日、防災に特化した全国初のトランクルーム「防災ゆうストレージ」サービスの申込受付を開始した。災害時、なくてはならない日用品や大切な記念品等を失うリスクに備え、専用BOXに閉じ込めて硬質地盤にある寺田倉庫2拠点に預けるサービス。避難時にはネット手続きにより、避難先等希望の場所にゆうパックで配送される。
大切なもの保管する文化を全国に
今回のサービスを知った一般社団法人防災安全協会の斎藤実理事長は「災害時の安心と安全を確保しておけば、早期に前野生活に戻れる。そのための管理は誰にとっても重要。良いサービスだと思う」と話している。
「防災ゆうストレージ」は、例えば、避難生活が長期化した場合に個人専用のコンタクトレンズや使用期限内の薬品など、容易に手に入らないものをストックできる。また、大切な母子手帳や愛する家族のアルバムや遺品等々を預けておけば、災害後に自らの精神的な復旧にも寄与する。
サービス料は初期費用(専用ボックス・登録手数料・倉庫への送料)、保管料、取り出し料金(出庫作業・届け先までの送料)全て、預け拠点からの距離に関係なく全国一律。保管料は小ボックス月275円、大ボックス月480円と比較的利用しやすい価格帯に設定されている。申し込みは寺田倉庫のホームページからで、日本郵便は「ゆうパック」を使った配送役を担う。
日本郵便・寺田倉庫 防災も共創で備えを
専用ボックスの推奨品リストを監修した認定特定非営利活動法人レスキューストックヤードの栗田暢之代表は、災害で全てのモノを失った被災者の嘆く声を多数聞き、「日本は自然災害多発国。収納スペースの整理も兼ねて大切なものを預ける自助の備えに活用を」と勧めている。
1月26日のオンライン記者会見で、寺田倉庫の月森正憲専務執行役員は「最適な空間、最適な取り扱いの保管保存業を営んできた創業72年の倉庫会社として、日本郵便様との協業は、大都市圏だけでなく、地方にも保管する文化を広められると意義を感じている。約2万4000の郵便局にサービスの良さを広めていただけたらありがたい」と期待を込めた。
日本郵便のデジタルビジネス戦略部の杉崎猛部長は「防災ゆうストレージのサービスは新規ビジネス創出の観点。JPビジョン2025に掲げられるよう、お客さまの暮らしを良くするためにさまざまな企業と共創プラットフォーム作りを目指したい」と語った。
同部の網師本祐季課長は「このサービスを各郵便局がどのようにアピールしてくれるかは分からないが、社内でもディスプレーコンテスト等を実施しながら、各地域の防災意識を高める企画を今進めている」と説明した。