中計見直し 打ち返す新事業を 増田日本郵政社長
日本郵政の増田寬也社長は8月8日の記者会見で、中計見直しとウェルビーイングについて「下方修正分野もあれば、それを打ち返すための新規事業も幅広に検討したい。持続可能に成長する問題意識も持ち、大掛かりな見直しになる」と語った。一方、「みらいの郵便局コンテスト」実現化の第1弾「ズッキュン♡郵便局」を「若い世代の皆さまに体験いただき、郵便局を身近に感じるきっかけにしていただきたい」と若年層に魅力ある郵便局づくりに強い意志を示した。
若者にも身近な郵便局に
増田社長は記者会見冒頭に「台風被災者の方々にお見舞いを申し上げたい」と述べ、日本郵政グループの非常取り扱いを改めて強調した。(以下、記者団の質問)
――日銀のYCC(長短金利を低く抑える政策)の修正を決めた影響は。
増田社長 円の長期金利が上昇していることで全体的には収益改善の方に影響は波及すると思う。場合によって、かんぽ商品改定等を検討する可能性もある。
――ヤマトとの協業に向けた体制を。
増田社長 10月からネコポスは「クロネコゆうパケット(仮称)」として日本郵便が取り扱う。協業第1弾のオペレーションがうまく回るように準備する。日本郵便のメリットが最大限出せるよう、時代とともに減る郵便を運ぶ軽四輪等の空いた空間にうまく載せられるように足りないところは増やし、両社共に成果が上がるようにしたい。
――森JPタワーが竣工された感想は。ゆうちょ株式売却益のうち、不動産投資はどのくらいですか。
増田社長 旧麻布局があった地に日本一高い建築物のオープンは社員にとっても感慨深い。不動産事業を収益の柱とする第一歩にしていきたい。中計見直しでも不動産開発を全体的に見直し、柱にできるよう検討をしなければならない。
持続可能な成長を意識
求められる公共サービスも
――中計の見直しの全体的な方向性は。ウェルビーイングと郵便局の関連性を。森JPタワー内に郵便局も入りますか。(郵湧新報)
増田社長 中計は総点検する。郵便・物流は種類やコストも当初と変わっている。下方修正をしなければならない分野もあれば、打ち返すための新規事業も計画しなければいけない。特に新規事業を幅広に検討したい。大掛かりな見直しになる。
ウェルビーイングは感性に訴える分野だが、郵便局や日本郵政グループには公共・準公共サービスが社会的要請として求められている。持続可能に成長する指標としての問題意識を持ち、中計見直しも検討したい。森JPタワー内に郵便局はもちろん入る。