新春インタビュー 全国郵便局長会 三浦寿明理事

2024.01.26

 全国郵便局長会(末武晃会長)の三浦寿明理事(東北地方会会長/仙台岡田)は東北6県という広大な天地で指揮を執る。2名局も多い中、郵便局の新ビジネスや公的な役目の状況を伺った。

〝地域への思い〟を次世代にたすき渡し

 三浦理事 「令和6年能登半島地震」により被災された方々に衷心よりお見舞い申し上げたい。一日も早い復興をお祈りし、少しでもお力添えできれば、と思っている。
 ――全特での専門委員会のご担当をお教えください。
 三浦寿明理事 全特の中では防災PT座長と基本問題、置局・局舎、地域貢献・地方創生の各専門委員会の担当理事を務めている。
 防災PT座長として、全国の被災地区会を訪問する中、どこの被災地区も多くの局長が地域の復旧を第一に考え、ボランティアとして活躍されていた。
 私の局が東日本大震災で被災した際も、佐賀県南部地区会佐賀市北部会から局長4名が、約1500㌔を17時間もかけて交代で車を運転し、ボランティアに駆け付けてくれ、感銘を受けた。自局だけにはとどまらない郵便局ネットワークの〝地域への思い〟を、次世代にたすき渡ししなければいけない。

 ――東日本大震災から、約12年10カ月を経た東北復興と郵便局の関わりを、どう見ていらっしゃいますか。
 三浦理事 昨年12月、長年仮設で営業していた岩手県陸前高田市の竹駒局の新局舎が落成した。早朝の開局セレモニーで多くの住民の方々が喜ばれる姿を見て、郵便局を地域からなくしてはならないと改めて実感した。被災企業の復興を、物販で応援するだけではなく、新商品として根付かせようと、多くの局長たちが頑張っている。
 宮城県南部地域のイチゴ畑も壊滅的な被害を受けたが、新ブランドの販路に郵便局が大きく関わり、成功した。各地で多くの成功事例が出ている。局長は常に地域の復興に寄り添ってきた。

 ――山形発で全国展開されることになった「ぽすちょこ便」は、郵便局らしい新規ビジネスですが、郵便局の公的サービスはどのような形が望ましいですか。
 三浦理事 ぽすちょこ便は2022(令和4)年の実証実験を経て昨年9月から実装がスタートし、全国のマスコミに取り上げられた。買い物支援等への応用の可能性もあり、各地での需要を感じている。
 山形県内では山形市をはじめ、米沢市、山辺町、西川町等が郵便局と良好な関係にあり、新規ビジネスが生まれる環境も整っている。
 東北地方会内のエリマネ局は2名局が4割超。農協、地方銀行、地元信金等の撤退が進み、金融サービスを利用しづらくなった地域でもサービスを提供し続ける郵便局ネットワークは、国民に最も身近な社会インフラの一部だ。国民の財産として、公的サービスやオンライン診療等の拠点となることは理にかなっている。

 ――改正郵政民営化法見直しの動きについて。郵便局の将来や組織強化に向けて、大切なことは何だと思われますか。
 三浦理事 民営化して17年目。現行法には無理があり、郵便局ネットワークをこのまま維持していけるのかという基本的な問題と、少子高齢化、一極集中、デジタル化、働き方改革等々さまざまな課題が顕在化し、法改正が必要だ。
 昨年11月に70周年を迎えた全特は、多くの先輩が幾多の危機に直面しながら、地域を思い、時には苦渋の決断を下す中でつないでこられた。
 正念場を迎える今、これから20年、30年と組織を担う後輩たちを明るい未来につなぐために、一人一人が行動と研さんに努めるべき。
 東北各県には独自の課題があるが、魅力もある。どう生かしていけるかが次の段階だ。東北全体に一体感を持たせることに力を入れたい。
 組織強化の基本は防犯だ。信用・信頼を失墜してしまえば元も子もない。
 不祥事を起こさないよう気を引き締めて、会員を指導・育成していくことが大事だと思う。