新生 楢葉局 福島復興押し上げ彩る
原発事故から11年7カ月――。今年度から小中学校の徒歩や自転車通学が復活した福島県楢葉町のさまざまな店舗を集約した交流拠点「笑(えみ)ふるタウンならは」内で「ここなら笑店街」に10月17日、楢葉局(小松正樹局長)が仮設局舎から移転開局の形で復活した。町が避難指示解除されてから町役場付近の仮局舎で窓口を再開し、7年。新楢葉局には集配センターも併設し、町内の物流機能の利便性も高めた。同日、楢葉町と東北支社(小野木喜惠子支社長)は包括連携協定も締結。地域産のユズやサツマイモ等の販路拡大含めて経済を活性化し、地域の復興を勢い持って押し上げ、彩っていく。
町と連携深化、販路拡大も
町内唯一のショッピングモール「ここなら笑店街」はスーパー、トンカツ屋、中華屋、居酒屋、パン屋、ホームセンター、クリーニング店等が勢ぞろいしている。福島県東部地区連絡会(髙橋圭二局長/鹿島)はじめ、楢葉局の小松局長らは「ここなら笑店街」テナント会の定例会に参加し、地域課題の解決や行事等、町や各店舗と協議し、復興に取り組んできた。
開局セレモニーで小野木支社長は「笑(えみ)ふるタウンならは」の一角を町からお借りし、素晴らしい局舎で営業を開始できたことに感謝申し上げたい。笑顔あふれる郵便局づくりにまい進し、郵政事業を通じて復興の後押しができるよう手を携えて進みたい」と喜びを見せた。
楢葉町の松本幸英町長は「周辺地域との相乗効果を生み、楢葉再生の新たなシンボルとしてさらに地域に親しまれる郵便局に」と期待を寄せた。楢葉局の小松局長は「集配機能を併設した新局舎での運営開始はたくさんの方々の尽力のたまもの。期待に沿えるよう頑張りたい」と意欲を示した。
震災後11年間、町の郵便や荷物は隣町の富岡局を間借りした楢葉集配センターで、富岡町から楢葉町に配達。不在通知が届くと場合によっては、顧客は富岡局まで取りに行くこともあった。これからは配達を楢葉町内で完結できる。
同日、町と東北支社との包括連携協定締結式で松本町長は「町の小中学校が今年度より徒歩や自転車通学に戻した。他地域では当たり前の光景だが、ようやく本来の姿に戻すことができた。にぎわいを創出し、安心・安全の確保へとつなげたい」と強調。
小野木支社長は「通学の折に危険や怖いと思った時に郵便局に駆け込んでいただくとフォローする子ども110番もさせていただきたい。新生楢葉の創造、復興の総仕上げと飛躍への新たなステージを迎える町のお役に立ちたい」と語った。