郵便局ネットワーク維持のための検証を 政策審議会で全特・全簡連・郵退連
自民党は4月27日、参議院政策審議会(藤井基之会長)を開催し、第12回「期待する政策等についての各種業界団体からのヒアリング」を行った。司会を三木亨政審副会長が務め、冒頭に藤井会長があいさつ。全国郵便局長会から末武晃会長、全国簡易郵便局連合会から柳澤秀全会長と山口博文副会長、一般財団法人日本郵政退職者連盟から小宮和夫会長がそれぞれ考える課題等を説明した。
末武全特会長「郵便局は地域の最後の砦」
末武全特会長は「全国津々浦々に張り巡らされた郵便局ネットワークは少子化、過疎化が急速に進展し、多くの金融機関や商店、JAなどの撤退や衰退が進む中、地域の最後の砦(ラストリゾート)ともいえる社会インフラ。郵便・物流・金融のサービスをユニバーサルサービスとして確実に提供するとともに、郵便局ネットワークを最大限活用して地域住民の利便の向上に資する自治体の事務受託などを進めるとともに、地元の自治体や農協、漁協や企業などと連携・協力して新たな産業や特産品を開発するなど、地域の発展に資する取り組みを行っている。そのためには、安定した経営の下、郵便局ネットワークが維持されることが重要」と指摘した。
柳澤全簡連会長は「簡易局を取り巻く環境は、急速な過疎化や内外におけるキャッシュレス化の進展等により大きく変化し、利用者の減少等が続き厳しい状況。簡易局の存続・発展が図れる経営環境を整備することが極めて重要。郵便局ネットワークの維持・発展に向けた支援措置等を」と強調した。
全国郵便局長会と全国簡易郵便局連合会の要望内容は同様で、①現在の日本郵政グループの4社体制の状況等を検証いただき、三事業一体の経営により安定した経営が確保できる方策の検討をお願いしたい②ゆうちょ銀行とかんぽ生命に課せられる上乗せ規制の撤廃③日本郵政、日本郵便に課せられるユニバーサルサービス義務の実施コストは日本郵便が負担しているが、コストの在り方について検討を――の3点を要望している。
小宮郵退連会長は「①高齢者の年金給付の抑制や新たな医療・介護保険制度改革に当たり、年金生活者の負担が過重にならないように配意を願いたい②民間金融業界はゆうちょとかんぽの全株式を放出しない限り、暗黙の政府保証があるとし、新規業務の認可に反対している。しかし、実態は民間金融と同様に税金・預金保険料を支払うなど、競争条件として有利性のないことは明らか。むしろ、郵便局で扱う貯金・保険は郵便と同様のユニバーサルサービスが課され、逆に他の金融機関に比べて著しく不公平な扱いを受けている。安定したサービスを提供するためにも新商品・新サービスに関わる規制の撤廃を切望」と2点を要望した。
同日は、全特から森山真専務理事、全簡連から丸岡新弥専務理事、郵退連から西川幸喜専務理事も出席した。