暮らしの安全を総合力で強化「セーフティネットたまき」開始 東海支社

2026.03.07

東海支社(大角聡支社長)は2月1日から三重県玉城町と郵便局の集配ネットワークを活用し、集配社員が地域を巡回しながら町の安全を総合的に強める「セーフティネットたまき」の取り組みを開始した。2022(令和4)年から同町で全国初の実装となった郵便局の空き家調査スキームを活用し、カーブミラーや自治区の調査含め総合的に受託する全国初の取り組みだ。

玉城町の空き家調査から発展

日本郵便と玉城町は2021(令和3)年に包括連携協定を締結。22年度から全国初の実装をスタートした集配社員による空き家調査は集配ネットワークの網羅性、リアルタイム性、配達員の機動性を生かす点で注目を集め、空き家研究専門の有識者の報告書でも「日本郵便の集配システムは他に比べるべきものがない」と表現される。玉城町から始まった空き家調査は奈良県、山口県、静岡県、茨城県、秋田県、山梨県等全国各地へ広がったほか、福岡県、埼玉県、大阪府等の自治体が現地を視察している。

それまで町が行っていた空き家調査は紙の地図にマーカーを塗るなど手作業であったが、郵便局ではタブレット端末を用い調査を行う、町から示された外観・庭の手入れ状態など7項目について調査し1件1件コメントを付けた写真付き報告書を町へ報告、詳細な空き家のデータベースが整備されたことにより町は空き家オーナーに対し適宜適切な対応ができるようになり、空家に対する問い合わせは以前より3割以上増え、空き家相談会は満員御礼となった。

町と郵便局で打ち合わせを重ねる中、「カーブミラー」問題も挙がり、25年秋に空き家調査のシステムをカーブミラー用に一部カスタマイズし、町が提供した1084本のカーブミラーデータをもとに全調査を実施。鏡面の破損やポールが曲がっているなど安全性に欠ける状態も多々見つかり、大きな成果が上がった。
今年は玉城町制施行70周年。「だれもが安心して、元気に暮らせるまち」のスローガンに合わせ、さらにできることを打ち合わせた結果、日本郵便が協力するのが「セーフティネットたまき」だ。

「セーフティネットたまき」は、空き家調査等で培った調査フローとノウハウを活かし、一括して一定期間調査してまとめて報告する空き家・カーブミラー調査業務と、町民から寄せられる要望等の個所に対し町から都度依頼を受け調査し報告を行う自治区現地調査業務の2種類。自治区現地調査業務は集配社員が配達ついでにポスタルモバイル端末を用い調査するため、早いスピードで精度が高い調査が同時に複数の場所で可能になる。郵便局に委託することで町職員は基幹業務に注力できる。

1月30日に玉城町役場で行われた開始式で、辻村修一町長は「地域の方々から安全対策の要望もあってカーブミラーも点検いただき、再整備を図っている。下水道や水道管が陥落事故も心配。それらも郵便局の力をお借りし、応用も願いたい」と述べた。大角聡東海支社長は「〝セーフティネットたまき〟は日本郵便としても初の取り組み。今後も郵便・郵便局ネットワークを最大限に活用し、社会課題の解決、地域活性化に貢献したい」と語った。

本社の竹中正博執行役員は「東海だけではなく全国どこでもニーズのある意味で非常に意義ある取り組みだと思う。町と連携し、成功させて広げていきたい」と強調した。
三重県南伊勢地区連絡会の奥山宗司統括局長(沼木)は「毎日くまなく地域を回る社員の皆さん方による調査は仕事も的確で早いと伺っている。今後の展開が楽しみだ」と期待を寄せた。
町との交渉に長年中心となって尽力し、同日にスキームを説明した大西建也局長(玉城)は「空き家調査でデータベースをデジタル化できたことがあらゆる調査に応用できると思う。集配と郵便局のネットワークと社員の力を生かし、誰もが安心して暮らせるまちづくりをサポートしたい」と意欲を示した。