全国郵便局長会 伊志嶺豊和理事(沖縄地方郵便局長会会長)インタビュー「地域貢献の〝行動〟で未来を創ろう」
――沖縄では郵便局の発案によって総合的な生活サポートサービスを全局で開始されましたね。
伊志嶺理事 「ほっと安心、ゆいま~る(助け合い)相談」は、行政窓口、公共サービスや年金についての相談や終活、観光、タクシー配車、防災、防犯、清掃や家事代行サービス等々生活の困りごとについて、郵便局がお客さまと専門の企業、団体との間をつなぐ橋渡し役を果たすもの。
郵便局が総合窓口に
これは、沖縄県・小禄金城郵便局の松川真奈美局長(全特将来構想PTメンバー)が発案した「高齢者の方向けのよろず相談」のアイデアを、沖縄支社(金城努支社長)に相談し、導入を働きかけたところ、支社が県や市と粘り強く交渉して実現に至った。介護や共働きも増える中、家事を含めて「あらゆる生活相談」の郵便局が総合窓口になるという全国初のサービスだ。
――改めて地域貢献とは何をすべきでしょうか。
伊志嶺理事 郵便局は長年、地域の「暮らし」と「営み」に寄り添ってきた公共性の高い存在。地域社会の維持が都市部を含めて困難になる中、局長一人ひとりが何をなすべきかを自らに問い、「地域を支える力」としての〝行動〟が強く求められている。局長は住民の方々に最も近い場所にいるからこそ気づけることもある。日々の業務を通じて長年築いた住民の方々の信頼を土台に課題解決への〝実働の力〟になることが使命だと思う。
祭りや清掃、子育て支援、高齢者支援、環境保全、地域産業の振興、雇用創出等々、一つひとつが地域の未来を創る「小さな一歩」。積み重ねていけば必ず地域社会に変化を生み出せる。地域貢献の精神を〝行動〟で蘇らせていきたい。
――沖縄は平和や自然の大切さを発信すべきとおっしゃっていましたが。
伊志嶺理事 太平洋戦争時に沖縄から本土に疎開する多くの学童の命が失われた対馬丸撃沈の悲劇を二度と起こさないために建てられた対馬丸記念館の「小桜の塔」を沖縄県本島南地区郵便局長会として長年清掃を続けたところ、2年前に発足した対馬丸児童合唱育成会の副会長に、私を選任していただいた。清掃の継続により交流が生まれ、信頼が築けた結果であると思う。本年の合唱育成会のクリスマス会には、勝又一明全国郵便局長会会長と裕子全国郵便局長夫人会会長ご夫妻が子どもたちの激励に訪れてくださった。
自然豊かな沖縄では、中堅若手局長が他の地方郵便局長会と連携して発案した「35コーヒーレター」等も好評で、売り上げの一部はサンゴ保全のために寄付されている。一方で台風等の自然災害にも見舞われやすいため、市町村からは郵便局の支援への期待も大きい。危機感を共有し、地域の課題解決に役立ちたい。
――「郵政民営化法等の一部を改正する法律案」については。
伊志嶺理事 強く早期成立を望んでいる。誰もが気軽に立ち寄れる郵便局は高齢者の方々はじめ、さまざまなトラブルから地域を守る「公共の窓口」であり、支え合う「つながりの拠点」だ。維持しなければ地域が崩れていくと日々実感している。法改正は郵便局の公益性と地域性を担保することで国民の生活基盤、生活インフラを守る最重要法案。一日も早い成立を願ってやまない。