空き家みまもり最前線へGO! 

2025.07.19

 やっぱりいいなあ畳って~、ふすまも。質素で素朴で、懐かしい昭和の香りも漂う。気兼ねのいらない昔からの友だちと行ってみたくなるゲストハウスは長野県にある「Roopt(ループト)松本中央」。日本郵便が㈱巻組の協力を得て「郵便局の空き家みまもり」を通じた空き家トライアルの物件の一つだ。6月17日の内覧会で地域共創事業部の三好達也係長、㈱巻組の渡邊享子社長らの説明を聞くと、空き家に息を吹き込み、新しい価値を共創のもとで生み出す粋な話に少しワクワクしてきた。

日本郵便×巻組 ローカル共創イニシアティブでまた成果

【記者会見】
 ――日本郵便と組んだ意義を教えてください。


 渡邊社長
 郵便局のネットワークが全国に、人口減少地域にも広がっていらっしゃって、地域を支える大切な企業。我々のような小さな地方の会社が連携できたことは非常に大きな一歩と思う。
 ――今年1月から「空き家みまもりサービス」を日本郵便として始めたのはどういう理由ですか。

 三好係長 日本郵便はその前段で、「高齢者の方のみまもりサービスを提供してきた。遠方に住んでいるご両親、ご家族の方、普段なかなか行けないが様子を見たいご要望もあった。
 当然、お住まいになられている方の状況を見守ることもそうだが、人口減少とともに日本全国に広がっていく空き家に何かできないかと検討を進める中で、高齢の方をみまもるサービスの仕組みを活用し、近くで働く郵便局社員が空き家もみまもる必要がある、とサービス化された。
 日本全国に郵便局がある。人口が特に少なくなった地域でも求められる役割を果たしていかなければならない。空き家は今では定住だけでなく、短期滞在など視点を変えれば、その地域のにぎわいを起こすきっかけにもなる。地域に支えられてきた日本郵便として、今後の存在意義に関わると思う。
 ――実装に入る前に実証をやられていたと思うのですが、その段階で何か実りがあって実現したのかを教えてください(郵湧新報)。
 三好係長 本格開始の前のモニターで、ウェブサイトで告知しただけでも多くの人が集まってくださった。特定地域だけではなく、日本全国、さまざまな地域に分散し、多様なご相談をいただいた。サービス設計をする時に全国をカバーする重要性を感じ、今、いろいろな企業さまと意見交換を行っている。