いよいよ離島も!郵便局でオンライン診療 総務省実証開始へ 山口県柳井市×平郡局
総務省の 2024(令和6)年度「郵便局等の公的地域基盤連携推進事業」の第1弾として、山口県柳井市の平郡局でオンライン診療が9月17日にスタートする。石川県七尾市の南大吞局での事業との違いは〝離島〟を舞台とする点で全国初の実証。船が1日2便という交通等条件が極めて厳しい離島でも、郵便局ネットワークを通じたオンライン診療×服薬指導×配送を可能とすることで、全ての国民の「医療アクセス」確保のモデルづくりを目指す。実証期間は12月11日まで。(写真は平郡局)
誰もがどこでも「医療」アクセス可能に
医師の担い手不足が顕在化する離島では、非常勤医師が巡回診療を行うケースが多いが、悪天候による船の欠航等々、条件は山間地以上に厳しく、オンライン診療のニーズは高い。
実証事業は今年1月、厚生労働省が発出した特例的に医師が常駐しないオンライン診療のための診療所開設の通知を踏まえ、郵便局の空きスペースを活用し、高齢者等のオンライン診療等の確保を目指すもので、へき地医療拠点の周東総合病院と平郡局をネット回線で接続。局内のプライバシーが確保された会議室でオンライン診療が可能な患者の方を対象に診療を行う。
郵便局ネットワークで リアル×デジタル
患者の方は、平郡局から約70㍍ の近隣にある平郡診療所(週1回毎水曜に非常勤医師が対面診療)でオンライン診療やオンライン服薬指導を予約。予約日時の15分前に平郡局に行き、局窓口で健康保険証を提示する。
社員の方が会議室に案内し、オンライン機器設定と操作をサポートするが、診療や服薬指導が始まると社員は退出。会話が外に漏れることはなく受診できる。診療後は医療費や薬代が記された払込取扱票を社員の方が患者の方に渡し、局窓口で現金を支払う。オンライン服薬指導を受けた患者には翌日以降に自宅に薬が配達される。
診療は月曜と水曜の週2回。月曜は平郡局と周東総合病院とをつなぎ、オンラインで診療と服薬指導の両方を実施する。水曜は医師が平郡診療所において対面診療を行い、 平郡局から実証協力薬局(やない薬局)にネット接続し、オンライン服薬指導を受けられるようにする(希望者のみ)。
今回のオンライン診療をはじめとする「郵便局等の公的地域基盤連携推進事業」として今年度選ばれた4事業について、 総務省は年内にも順次開始していく方針。
(総務省資料から)