郵活連 郵政民営化法見直しへ意見聴取
「郵便局の利活用を推進する議員連盟」(山口俊一会長)は1月25日、役員会を開催し、今国会に議員立法として提出する郵政民営化法見直し法の要綱案について意見を聴取した。焦点の一つは、当初から柱の一つに掲げられる日本郵政の金融2社の株式保有比率を3分の1にとどめることと、上乗せ規制の両立などだが、時代の大きな変遷に伴って、上乗せ規制は緩和する方向性が固まった。要綱案は郵政民営化委員会(山内弘隆委員長)や、民営化委に意見を提出した全国郵便局長会(末武晃会長)の考えに近いとされているが、近く日本郵政グループ各社やJP労組にも諮っていく。
郵活連、要綱案を議論
地域で役立てる郵便局の形を
郵活連役員会の冒頭、山口議連会長は「最今の郵政事業を取り巻く環境等々の厳しさは、郵便料金を値上げしても単年度のみ黒字で、翌年から再び赤字が予測されている。制度設計を見直し、しっかりと地域で役立てる郵便局の形をつくる議論を重ね、民営化法を見直したい。論点も煮詰まってきた。要綱案に対する意見を先生方から賜りたい。特に上乗せ規制の部分はもう少し詰めなければいけない」と述べた。
国定勇人議連事務局次長が「郵便局ネットワークを維持する費用の捻出が非常に厳しい状況になりつつある。日本郵政が持つゆうちょ銀行、かんぽ生命に対する持ち株比率の低下が中心となって、4社の紐帯関係が低下傾向。結果、シナジー効果の減退を引き起こし、経営状況の悪化の要因になっていることが懸念されている」などと要綱案を説明した。
現在のゆうちょ銀行の定款(株式会社の憲法)には、郵便局の窓口委託を通じて銀行業務を行うことが明記され、ゆうちょ銀行の意思で郵便局から離れることはできない。
しかし、日本郵政がゆうちょの株式を完全売却、あるいは5分の1しか持ち切れないとなった時には定款変更を株主総会に提出し、可決する可能性も出てくる。
商法では株主総会は株式会社の最高意思決定機関で、通常決議は議決権の株式数の2分の1以上の賛成が必要。特別決議は同3分の2以上の賛成が必要になるが、持ち株会社が3分の1以上の金融2社の株式保有する形を維持できれば、特別決議をいざという時に食い止められる。
一方で3分の1にとどめると上乗せ規制が残る。このため、役員会では上乗せ規制を緩和する案が示された。
役員会には、柘植芳文議連事務局長や長谷川英晴議連オブザーバーも出席している。