インタビュー 辻井久仁 近畿地方会副会長

2023.12.25

 近畿地方会(土田茂樹全特副会長/浜大津)の辻井久仁副会長(大阪府河内南部地区会/藤井寺小山)の思いは、人のぬくもりある地域づくり。そのためにどう動かれているかを伺った。

郵便局を地方創生の原動力に 

 ――地方創生について。
 辻井副会長 大阪といえば繁華街のイメージだが、近畿地方会にはさまざまな地域がある。6市2町1村にわたる河内南部地区会は全ての市町村と包括連携協定を締結し、管轄内の全警察署とも防犯協定を締結済みだ。
 電車が2路線しか通らない高齢化が進む地域だが、大阪府森林組合の出先機関「農と緑の総合事務所」と、何かコラボすることで活性化できないか、と始めたのが地元の河内材で作った木づくりの名刺。相手に温かな印象を与えられると好評だ。自治体はもとより、郵便局はさまざまな関係機関含めての連携が重要だと思う。
 河内長野市の島田智明市長とも、住みよい街づくりに郵便局が貢献できる方策を話し合い、みまもりスマートスピーカー導入やプレミアム付き商品券の局販売も実現できた。

 ――喫緊の地域課題とは。
 辻井副会長 大阪中心街から30分ほどの近鉄長野線富田林駅付近に独立行政法人都市再生機構(UR)の何千戸もあるマンションに外国人の方々がどんどん入居しているが、逆にもともと在住される日本人の若い方は地元に仕事がないこと等を理由に流出傾向にある。住み続けたい街をどう創るかが課題だ。
 郵便局単独では難しいため、自治体や地域のオピニオンリーダーとタッグを組み、例えば、店舗経営等をやりやすくするなど、魅力ある地域にしなければ出生率を高められない。郵便局は地域のあらゆる方たちを支えながら、東京一極集中に歯止めを掛ける〝地方創生〟の原動力になっていくべきだ。