全米中の国境検問所を改築へ

2022.04.09

 米国政府は、これから建設ラッシュを迎えようとしている。先頃発表されたプロジェクトでは、テキサス州からカリフォルニア州、アラスカ州、メイン州まで全米26カ所の国境検問所を総合的に改築・拡大する予定とのことだ。

低炭素素材の使用を義務付け

 34億㌦規模となるこの大規模な計画では、走行車線の追加や施設の拡充などを目的としているが、一方で、より重要な一面がある。それは、建物には低炭素コンクリート、道路には再生アスファルト、その他も持続可能な低炭素素材を義務付けることだ。また、これらのプロジェクトで使用される製品には、その生産と使用に伴う炭素排出量を明記した環境影響評価書を添付することも要求している。
 この国境プロジェクトにより、バイデン政権は建設業界における新素材の成長の芽を育てようとしている。ホワイトハウスは2月15日には、1兆㌦規模のインフラ法案によるプロジェクトで低炭素材料の使用を促進する「バイ・クリーン・タスクフォース」の設立も発表した。
 米国共通役務庁の管理者であるロビン・カーナハン氏は「今回改修する陸上港湾の平均築年数は40年。これは国内産業を新しい方向へ導く革新的なチャンスで、特に環境にも貢献するような米国企業にスポットライトを当てることができる。良い仕事を作り、国境警備を助け、環境を助けるという三重奏だ」と語る。
 今回の国境プロジェクトは、ほんの手始めに過ぎず、さらに多くの大規模な連邦建設プロジェクトに低炭素材料が採用されるとみられている。
(参考文献:https://www.fastcompany.com/90725503/low-carbon-materials-are-getting-a-huge-boost-in-this-federal-3-4-billion-building-plan)