インドネシア、脱炭素化宣言
脱炭素社会の実現を目指し、世界各国ではカーボンニュートラル(炭素中立)への取り組みが進められている。インドネシアのエネルギー鉱物資源省は8月12日、ガソリン駆動のオートバイを電動に改造するプロジェクトを開始したと発表した。
バイク、自動車全てEV化へ
同国政府は国家戦略として、2030(令和12)年までに1300万台の電動バイク(改造車を含む)と220万台の電気自動車(EV)を走らせることを目標に掲げており、公共バスのEV化にも取り組んでいる。
エネルギー鉱物資源省のアリフィン・タスリフ大臣は「2040年以降に販売される全てのバイクを電動にし、2050年以降に販売される全ての新車をEVにする」と意欲的だ。
インドネシアは6月には、全ての石炭発電所を廃止する計画を含め、2060年までに化石燃料から自然エネルギーに転換し、脱炭素化を達成すると宣言するなど、カーボンニュートラルへの取り組みを強力に推し進めている。
その背景には、大気汚染の深刻な現状もある。人口が世界第4位で、東南アジア最大の経済規模を誇るインドネシアは、世界有数の温室効果ガス排出国。
同国内には一昨年時点で、1500万台以上の自動1200万台以上のバイクが道路を走っている。交通量の多い首都ジャカルタは常に息苦しさに悩まされており、〝待ったなし〟の状況だ。
政府の発表を受け、各企業の動きも活発になっている。同国配車サービス大手のゴジェック社は4月、全ての自動車とバイクを2030年までに電動にすると公表するなど、生き残りに必死だ。
官民挙げての環境プロジェクトは、アジア、そして世界の模範となるか注視したい。
(参考文献:https://finance.yahoo.com/news/indonesia-project-convert-fuel-powered-080717596.html
https://www.reuters.com/business/sustainable-business/indonesia-aims-sell-only-electric-powered-cars-motorbikes-by-2050-2021-06-14/)