生きる!地域と 大阪府吹田市

2025.04.21

 大阪府三島地区連絡会(田中貞義統括局長/高槻芝生)吹田市内32局は、なにわの伝統野菜の特産品「吹田くわい」を栽培し、お客さまと共に成長を見守っている。市と連携したガンバ大阪のラッピングポストの設置など、数々の施策とあわせ、地域一体のホットな取り組みを追った。

特産「吹田くわい」を32局で栽培


 おせち料理の定番の「くわい」(写真上)は突き出た芽が「芽出たい(めでたい)」とされる縁起物。吹田くわいは一般のものより小粒で、ほろ苦さの中に甘味がある。

 中田啓介副統括局長(写真㊨、吹田江の木)は「吹田市のキャラクター〝すいたん〟のモチーフにもなっているが、栽培農園がほぼないので絶滅寸前。局での栽培で普及・啓発につなげたい」と想いを語る。
 この取り組みは吹田市認知症カフェ交流会(上田淳子会長)が鉢の準備など全面協力。内藤有策局長(同㊧、吹田藤白台)は「僕ら局長・社員も全員、認知症について理解を深める必要がある。年末には、交流会や市民の皆さんと収穫祭(写真下)を開催して試食や品評会も行うが、上手に育てるには愛情が一番大事」とニッコリ。

 同交流会の石山満夫前副会長は「4年ほど前から郵便局で栽培が始まった。近隣の吹田津雲台局(古賀田博局長)には常日頃お世話になっている。認知症になるとキャッシュカードを紛失するなど、窓口の方が対応にご苦労される。くわい栽培を通じて理解の輪が広がれば」と期待を寄せる。
 古賀田局長は「当初、十数局で始まったが、地元のお客さまでもくわいをよく知らない方がいるので、コミュニケーションツールにもなっている」と明かす。
 吹田市都市魅力部シティプロモーション推進室の田中美穂室長は「身近な郵便局で市民の皆さんに成長を見ていただくことで、吹田くわいへの関心が高まる。今後も続けてほしい」と願いを込める。

 吹田市との連携施策では、「特殊詐欺被害防止ステッカー」(写真上)と「市独自のDVと児童虐待防止のシンボル『Wリボンマーク』」(同下)を集配車に貼付しPR。禁煙やがん検診の啓発活動などにも取り組んできた。

〝ガンバ大阪ポスト〟20基を設置


 また、同市内20カ所にガンバ大阪のラッピングポストを設置。除幕式には後藤圭二市長も出席した(写真上)。
 中田副統括局長は「市内にはスタジアムがあり、ファンの方にも喜ばれている。手紙文化継承の一助になれば」と話し、内藤局長は「近畿支社(小池信也支社長)と吉本興業が連携したYouTube『チーキーズチャンネル』用に、ガンバポストの動画を作成中。楽しみにしてください」と意気込む。
 吹田市は大阪府内でトップクラスの人口増加率を誇る。伸びゆくまちを舞台に、地元への愛と誇りを育む郵便局のチャレンジは、さらに続いていく。