全国初 天草市23局が包括事務受託 横展開に期待
熊本県天草市内23局が10月1日から、行政事務業務を包括受託した。22の出張所の廃止に伴うもの。全国的に出張所等の人手不足や取扱数の減少が課題となる中、市が一括で20局以上の局に委託するのは全国初。今後の横展開が期待される。(写真上は久田九州支社長<中央㊨>らが出席した開始式)
局委託で市の経費負担は半減
今回、23局が受託した業務は、各種証明書等の交付や国民健康保険、後期高齢者医療制度の申請受け付けなど12項目。体育館などの公共施設の使用受け付けや地域住民の相談業務なども含まれる。
2022(令和4)年1月に九州支社(久田正嗣支社長)と天草市が包括連携協定を締結後、2年以上にわたって協議を重ねる中、23年9月に市議会で可決。年間の出張所経費は約6800万円かかるが、郵便局への委託料は年間約990万円で、関連諸経費を加えても、25年度以降は半額程度となる見込みだ。
城河原局(岡田拓也局長)での開始式で、馬場昭治市長(写真上)は「住民の皆さま方へのサービスを維持する上で、最良の選択をさせていただいた。地域、地方において、郵便局はなくてはならない存在。今回の取り組みは全国にも広がっていくだろうし、そうでならなければならない」と力を込めた。
久田支社長(写真上)は「局長の皆さん方がコツコツと地道に努力を重ねてこられたおかげ。地域のお役に立つ貢献ができることは大変うれしい」と喜びを見せた。
市との協議を推進してきた天草地区連絡会の勝木重喜統括局長(写真上の㊧、御領)は「取扱数が多い地域は年間2000件以上もある。お客さまが何を求めて申請されるのか、親身にお聞きして対応していきたい。身近な郵便局ならではできること」と強調。笠田敏和副統括局長(同㊨、須子)は「8月から3回、局長・社員たちが支所で研修を行った。全国につながるよう、しっかり取り組んでいきたい」と意欲を示す。
地域住民「身近な郵便局で逆に便利に」
この日、住民票の写しを受け取った70代の女性は「顔見知りの局長さんや社員さんがいて安心だし、家から近い方も多いから逆に便利になったんじゃないかしら」とほほ笑んでいた。