総務省実証事業 郵便局の公的な連携機能検証

2024.10.30

 総務省の2024(令和6)年度「郵便局等の公的地域基盤連携推進事業」が山口県柳井市の平郡局に続き、10月1日には広島県安芸太田町の安野局(佐々木利之局長)で「郵便局を『コミュニティ・ハブ』とした地域に必要なサービスの提供」、青森県青森市の青森中央局(高橋芳雄局長)で「ドライブ・バイを活用した配達車両による寒冷地でのスマート水道検針」が始まった。(写真は広島県安野局)

郵便局を「コミュニティ・ハブ」に広島県安野局

 安野局周辺は、医療機関も医師も少ない地域。オンライン診療と服薬指導に加え、自治体事務受託も一つの局で行える人口減少時代の「コミュニティ・ハブ」としての拠点機能を検証し、実装に向けた課題を探っていく。実証期間は来年1月15日まで。
 オンライン診療と服薬指導は、郵便局舎内のプライバシーが確保された個室でオンラインによる診療が実施できる疾患・病態の患者を対象に、実証協力医療機関の安芸太田町立安芸太田病院とインターネット回線で接続。医師と患者間の情報通信機器を通した診療行為をリアルタイムで行う。
 オンライン診療受診後、希望する場合は実証協力薬局の殿賀薬局か、クオール薬局安芸太田店とネットで接続し、オンライン服薬指導を受けることができる。
 総務省の担当者は「人口減少により自治体の支所や農協などが減り、住民の医療や生活サービスの提供拠点も減っている。今回、コミュニティ・ハブとして一つの郵便局が複数の事務を実施することでいかに地域に貢献できるか、また、局長や社員の負担といかに両立するかも検証する」と話している。

配達車両で水道検針、自治体の負担軽減 青森中央局

 一方、青森中央局では社員がスマート水道メーターからの検針情報を受信できる「無線通信機」を搭載した配達車両をつけて走行し、水道検針のデータ収集を実施。寒冷地の自治体が冬場に難しい検針を行う。実証は10月1カ月間と、来年1月15日~2月28日までの2回実施する。