「偕楽園の梅ハンドクリーム」好評
地域の隠れた魅力に光を当て、企業や自治体と手を携えて発信する。その好循環をつくっているのが茨城県中部地区連絡会(小松直之統括局長/水戸下市)だ。鈴木理香彦前郵便・物販担当副統括局長(今年3月退職)を軸に、地区一丸となって〝地域応援商品〟の開発や販売を行ってきた。地域愛にあふれる関係者の皆さまに話を伺った。
茨城県中部地区 魅力発掘!〝地域応援商品〟次々に
日本三名園の偕楽園に咲く白梅「白加賀」の甘い香りを再現した梅ハンドクリーム(写真左の㊤)を、2021(令和3)年度から絵はがき付きセットで販売。製造元の㈱鈴木ハーブ研究所(鈴木さちよ社長)営業担当の谷田部正氏(同右)は「当初は販路が少ない中、お声がけをいただいて大変ありがたい思いだった。郵便局でお取り扱いをいただけることは大きな信頼にもつながる」と感謝を述べる。
22、23年度には、筑波山麓で栽培される希少品種・福来みかんの香りを楽しめるハンドクリーム(同左の㊦)も絵はがき付きセットで販売し、偕楽園の梅まつりでは、昨年から販売ブースを設置。県内での取り扱い局数は当初の43局から432局と10倍超となり、リピーターも年々増えてきた。
このほか、焼きいも、黒にんにく、大洗町の㈱月の井酒造店(坂本敬子社長)の酒粕を使ったハンドクリームやドレッシング、同町が舞台のアニメ「ガールズ&パンツァー」のグッズ(写真左)、ひたちなか市に本社を置く㈱サザコーヒーホールディングス(鈴木太郎社長)のアイスコーヒー(同右)など、地元の魅力あふれる産品を次々に販売してきた。
鈴木前副統括局長は「郵便局の商品で地域を盛り上げたいとの思いで走り抜いてきた。郵便局でしか買えないもの、特別感があるものを販売したいと、常に県内の情報を調べていた」と振り返る。
鈴木前副統括局長から勝田東大島局を引き継いだ井坂孝文局長に、分厚い資料ファイルを拝見させていただくと、物販への熱い思いがずしりと伝わってきた。井坂局長は「フレーム切手も、国営ひたち海浜公園やアクアワールド、プロバスケットボールチーム『茨城ロボッツ』など数え切れないほど発行し、イベントなどでは手紙文化振興にも寄与してきた」と顔をほころばせる。
小松統括局長は「県や各自治体も大変協力的で、フレーム切手は〝シリーズ化〟のように発行しているものも多い。地域には隠れた魅力が、まだまだある。地場の産品の開発は大変な努力が必要だが、現在の大津雅則郵便・物販担当副統括局長(茨城大学前)を中心に、地元の魅力をアピールしていきたい」と展望する。
各局ではPOPの活用など工夫を凝らし、新商品の開発には社員の方々の声も参考にするという。郵便局を訪れることが、より一層楽しみになり、地域も企業も活気づく同地区の物販の取り組みは、横展開が期待される。