広島JPビルディング竣工 ビジネス拠点に好立地

2022.09.16

 日本郵便と日本郵政不動産は8月31日、広島東局跡地に建設を進めてきた「広島JPビルディング」を竣工した。中国、四国、九州、近畿など各方面へのビジネス拠点となる全国有数のターミナル駅に隣接。9月26日には1階の「広島JPビル郵便局」も開業する。2025(令和7)年開催の大阪・関西万博に向けても注目されそうな好立地に、地域のにぎわい創出も兼ね備えた新たな時代のオフィスビルが誕生した。

地域に〝ぬくもり〟放つ広島JPビル

 「広島JPビルディング」の6~19階はオフィス空間。テナント入居者のために3~5階には約200台の自走式駐車場も備え、6階のテナント専用食堂やカフェは混雑状況が分かるセンサーを導入。各階には働く人々がリラックスできるリフレッシュルームもある。
 1階の「広島JPビル局」には木製椅子や机が置かれ、大切な人に思いをはせながら、手紙を書けるほか、「カープ坊や」ポストも設置。緑豊かな駅広場の空き地も整備し、憩いの場を創出しながら地域に〝ぬくもり〟を発信する。
 19階建てのビルの高さは約88㍍。1階と2階には飲食店が入る。安全性を確保した制震構造により地震発生時もビジネスを継続できる。屋上階には72時間対応の非常用電源を完備するほか、熱負荷を軽減するガラスや、エネルギー消費量を適正に制御するセンサーも採用。環境配慮を客観的に評価する「CASBEE広島 Sクラス(最高位)」を取得している。
 広島市・JR西日本・広島電鉄は現在の駅ビルを建て替え、新駅ビルを2025(令和7)年春に開業予定。同時に広島電鉄の路面電車を新ビル2階に乗り入れ、バスの乗降場の増設、広場の再整備のほか、歩行者専用通路も計画されているが、自由通路と広島JPビルディングは25年に接続し、歩行者ネットワークも提供する。
 日本郵便不動産部の下山貴生専門役は8月25日のオンライン記者会見で「JRや広島電鉄などの再整備が複合的にされている。周辺開発の動きと一体的に事業者の方々と連携し、駅周辺のまちづくりにも貢献したい」と展望した。日本郵政グループは25年の不動産事業に係る資産規模は1兆円、営業収益900億円、営業利益150億円を見込んでいる。