生きる!地域と 宮城県南部地区連絡会
地域住民が笑顔になり、自治体、生産者、企業それぞれが〝ウィンウィン〟となる施策を展開している宮城県南部地区連絡会(大沼芳則統括局長/柴田)。7月1日には県南4市9町61局に、自治体の最新情報を掲出する「おらほのまちの情報コーナー」を設置した。東北支社(小野木喜惠子支社長)初の取り組み。これまで、数々の地域貢献活動を推進してきた大沼統括局長に話を伺った。
4市9町61局に「おらほのまちの情報コーナー」
情報コーナーのお披露目となったのは村田町の村田局(小川広重局長)。同町では6月に特産の空豆のゆうパック出発式が行われたほか、全国から窯元が集結する「蔵の陶器市」(10月)には郵便局も出店を予定している。大沼克巳町長は「郵便局が地域の情報発信拠点に」と期待を寄せる。
東北支社は宮城県全市町村と包括連携協定を締結しているが、県南4市9町と郵便局のつながりは特に深い。そのきっかけは2019(令和元)年10月、大沼統括局長の呼び掛けで実現した13市町の首長会議だ。「市長や町長らが一堂に会し、まちづくりに向けて郵便局がどんな協力ができるか語り合う中、首長たちからどんどん要望が出てきた」と大沼統括局長は振り返る。
その一つが「救急安心カード」の普及。かかりつけ医や緊急連絡先等の情報を容器に入れて冷蔵庫内に保管するものだが、「郵便局で普及を手伝ってもらえないか」との声を受け、翌年にはほとんどの市町で実施となった。
多彩な物販・貢献施策で地域を潤す
新型コロナで打撃を受けた生産者の応援にも動いた。かつて4万本も出荷していた柴田町の名産・カーネーションの販路が縮小する中、JA等とコラボし、ゆうパックで全国に〝幸せの花〟を届けた。
経営に苦しんでいた竹鶏ファーム(志村竜生社長)との連携で、おいしい卵を局内で無人販売すると、社員とお客さまとの会話から飛ぶように売れた。その卵と白石市産ササニシキを使用したプリン「しろいしたっぷりん」をふるさと小包で販売。7月1日の出発式で山田裕一市長は「思いの詰まった商品を届けていただける郵便局に感謝」と喜びを表した。
6月に亘理町で開催された「東北未来芸術花火2022」では、局長たちがボランティアで設営から案内、片付けまで行い、「局長さんたちはすごい!」と感謝の声が相次いだ。
一つ一つの施策を積み重ねる中、柴田町などではプレミアム付き商品券を梱包からゆうパック配送、販売まで郵便局が一貫して受託する〝流れ〟もできた。
大沼統括局長は「信頼関係が一番大事。さまざまな施策に挑戦するのは楽しいし、やりがいがある。その中で、地区に一体感も生まれる。『全てをお客さまのために、地域のために』との思いで、さらに一丸となって取り組んでいく」と決意を燃やす。