人気博す高知・鎌井田の風景印

2022.08.26

 高知県高岡郡越知町にある鎌井田簡易局(佐野友子局長)が作成した「仁淀川」と「浅尾沈下橋」が描かれた風景印が好評だ。同地域は昨年公開されたアニメ映画「竜とそばかすの姫」の舞台となった〝聖地〟。6月20日の開始から1カ月たたないうちに、全国の映画ファンや郵趣家などから300件超の依頼が郵送で届いた。簡易局が風景印を創るのは珍しいが、郵政事業の原点ともいえる手紙文化の素晴らしさを発信している。

観光とふるさとの思い出に

 昨夏、「竜とそばかすの姫」公開期間に、鎌井田簡易局は併設する商店で映画グッズなどを販売。全国から訪れた観光客から「風景印があったらいいな」との声もあった。このため、今年2月に四国支社(安達章支社長)に申請し、多くの関係者の協力や理解を得ながら、沈下橋がない頃に川を渡る舟をくくっていた象徴的な木を中心に鎌井田の集落を描いた風景印が完成した。
 
 観光に力を入れる越知町も喜び、地元ニュースで多く報じられた。佐野局長は「毎日見ていても本当に美しい景色。町を訪れた方には思い出に残る贈り物として、過疎地だから家族が遠方に住む地元の方も多いが、町から発送する手紙や小包の風景印を見てふるさとを思い出していただける」と話している。風景印は一度創ると永遠に残り、日本郵便の公式サイトでも紹介される。