日本郵政グループ 2022年3月期決算
2022.07.01
日本郵政グループは5月13日、2022(令和4)年3月期決算を発表、グループ連結で減収増益となった。経常収益はかんぽ生命と日本郵便の減収を受け、11兆2647億円(前期比3.9%減)、経常利益は金融2社の好調な市場収益を背景に9914億円(同8.5%増)となった。
ゆうちょ運用けん引し2割増益 増田社長「営業力の強化を」
純利益は5016億円(同20.0%増)と2割増。ゆうちょ銀行が運用するプライベートエクイティファンドの増収、国際物流事業のフォワーディング事業(貿易事務や輸送手配に付随して発生する専門業務)の増益が全体を押し上げた。最終利益が5000億円を超えたのは15年の上場来初となる。
グループ連結の通期業績予想に対する進捗率は、経常利益9200億円に対して107.8%、純利益4800億円に対して104.5%。主要3社共に100%を上回った。
日本郵政は昨年11月から1000億円を上限に自己株式取得を実施し4月に完了したが、決算が好調だったため、2000億円を上限にさらなる自己株式取得を実施。1株当たり年間50円の配当も維持する。
一方、23年3月期通期業績予想は、デジタル化の進展に伴う郵便物減少やゆうちょ銀行の外貨調達コスト増、かんぽ生命の新しい営業体制構築に伴う事業費増加等で連結純利益を4000億円(同1016億円減)と想定した。
日本郵政の増田寬也社長は「営業力を強化し、ゆうパックもそうだが、特にゆうパケットはできるだけ伸ばしていきたい強い思いがある。しっかりと取り組みを強化したい」と強調。浅井智範常務執行役は「ゆうパック・ゆうパケットは楽天等との協業もあり、増加を見込む。10%近く下落したが、来期は2桁以上の増加を見込みたい」と語った。