UPU 人道支援の機関を設立
万国郵便連合(UPU)は5月16~20日まで、スイス・ベルンで2022(令和4)年年次会合を開催した。理事国のほか、オブザーバー国含め、41カ国が出席し、昨年の大会議で採択された「アビジャン郵便戦略」を滞りなく進める思いを共有した。また、UPUとして「ウクライナの郵便サービスの継続と再建を支援する役割」について広範な決議を可決。人道支援メカニズムを決定し、資金源を定義するための作業機関を設立することを決めた。
スイスでの2022年年次会合で
決議は、紛争の中でウクライナの郵便インフラを再建するため、追加支援を求めた。目時政彦UPU事務局長は「郵便はあらゆる場所の全ての人にサービスを提供するための比類なきチャネルで、危機、紛争、災害の際に不可欠なライフライン。UPUは困難に直面する全ての加盟国の郵便サービスに緊急支援提供に尽力している。ウクライナポストの皆さんは紛争の中で人道的、社会的、金融、貿易とコミュニケーションサービスを提供し続けている」と呼び掛けた。
ウクライナの代表は、現場で働く人々に希望のメッセージをもたらす決議を承認するよう代表団に「私たちはまだ生きている」と訴えた。
UPUはすでに緊急連帯基金とサービス品質基金を通じて、ウクライナを支援する寄付の呼び掛けを開始しているが、決議はさらなる結束を示すものだ。
UPUのプログラムと活動に対する戦争の影響、グローバルネットワーク全体の郵便サービスの運用、インフラ、財務等を評価。これらの措置の結果は、来年開催される臨時会議で報告される。
一方、アビジャン郵便戦略は、①郵便事業の発展の格差を縮め、社会経済の発展のために郵便ネットワークを活用促進②郵便分野の規制の枠組みを調和③郵便事業者は戦略とオペレーション改善により業績向上④他のステークホルダーと連携し、郵便分野の統合を進める――の4本を柱とする「Postal Visin2030」を描き、加盟国の4年間の目標としている。