AIみまもり、近々に6自治体も

2022.05.14

 従来の「郵便局のみまもりサービス」を進化させた「スマートスピーカーを活用したみまもりサービス」のデモンストレーションが4月13日、総務省内で行われ、金子恭之総務大臣や中西祐介副大臣、渡辺孝一政務官が視察した。

金子総務大臣、副大臣、政務官視察

 日本郵便の衣川和秀社長も同席して、担当者と共に大臣の質問に答え、和やかに懇談。もともと総務省の実証実験として、岩手県遠野市を皮切りに各地で実証が行われてきたが、今年1月から長野県大鹿村と信越支社(菊地元支社長)が契約し、ビジネスが本格スタート。近々に6自治体で開始予定となっている。

独居老人等の見守りにも

 「エコー」と呼び掛けると起動し、ぽすくまが登場するタブレットは、市場に出回るスマートスピーカーに日本郵便が独自開発したみまもり専用の「ぽすくまアプリ」を搭載し、高齢者と家族、自治体、郵便局をスマートスピーカー通じて一体的につないでいる。

 朝であれば「おはようございます。体調はどうですか。お薬は飲みましたか?」などと、ぽすくまから声掛けされ、「はい」「いいえ」など返事の内容が家族や自治体、郵便局に届けられる。24時間返事がない場合も連絡が届く。

 利用者は、ニュースや音楽、ラジオもカラオケも、認知症予防になるクイズや落語も3000種類から好きなものを選んで無料で楽しめる。LINE以外のアプリを入れれば、ビデオ通話やテレビ電話で顔色を見ながら対話もできる。
 機器は2、3万円かかるが、日本郵便は自治体が管理し、郵便局が手伝う形で独居老人等のみまもり活用を自治体に案内している。導入自治体は、利用者の服薬状況等含めて一人一人の詳細を画面一覧で把握できる
 日本郵便は「人形や電気ポットを使う多数の見守りビジネスがあるが、郵便局はAIみまもりと従来の訪問みまもりでコミュニケーションを一体化できるのが強み。必要な時は近くの郵便局に〝相談〟いただければ、詳しい知識がなくても専門家につないで対応できる」と説明した。

全国自治体に広げて 金子大臣

 金子大臣は「私の母も87歳で一人暮らし。遠方在住の子どもにとって、ありがたいサービス。全国を視察する中で津々浦々に約2万4000局あり、住民の方々の生活実態も分かっている郵便局を利活用する事業が必要と痛感している。4地域で始まるようだが、好事例をどんどん作って広げていただきたい」と期待を寄せた。