都市部のドローン宅配実証に成功 JP楽天ロジスティクス×千葉市

2022.02.20

 日本郵便と楽天グループが共同出資するJP楽天ロジスティクス(諫山親社長)は昨年12月、千葉市と連携し、都市部高層マンション(地上100㍍以上)に向けたドローンによるオンデマンド配送の実証実験に国内で初めて成功した。2022(令和4)年度のレベル4(有人地帯での目視外飛行)解禁もにらみながら、災害時に地上の物流が途絶えた事態を想定し、海上を一直線飛行。片道約12㌔㍍を約17分で到着した。マンション屋上に届いた荷物を見た住民は「荷物が近付いてくる様子もスマホで確認できた。医薬品や緊急物資を空から運べる選択肢ができたのはすごい」(動画)と話していた。

災害時想定し、超高層への配送

 政府の国家戦略特区に指定される自治体は他にも存在するが、千葉市は唯一、内閣府、民間事業者、自治体の3者でドローン宅配等分科会を設置。今回、JP楽天ロジスティクスが同分科会の検討会に参加し、その一環として実証実験を行った。

 宅配ドローンの実証は多くの企業が過疎地で行ってきたが、「ドローン宅配構想」を掲げる千葉市は都市部におけるドローン物流サービス化の研究を重ねている。
 実験は12月1日~16日、最大積載量7㌔㌘の比較的大型ドローンが市川市の物流倉庫「プロロジスパーク市川3」を起点に、海浜幕張超高層マンション「ザ幕張ベイフロントタワー&レジデンス」屋上に、救急箱や非常食、医薬品などを配送。渋滞や障害物のない海上を、地上物流には見られないスピードで飛行した。
 宅配の注文はwebの専用サイトでスマホ等から注文後、倉庫では独自開発の管理システムで内容を確認し、配送物を用意する。物資搭載までは人が行うが、離陸ボタンを押せば、自動で離陸し、飛行中はドローンや周辺の状況をカメラ画像で周囲の安全等を遠隔監視。位置情報は注文者も確認ができる。より正確に着陸できるよう、GPS精度を高めるシステムも導入した。

 千葉市国家戦略特区推進課の三浦賢太郎課長補佐は「ドローン宅配は災害時には特に必要だが、災害時だけでなく、平時も配達時間の短縮など新たなライフスタイルを確立する可能性を秘めている」(動画)と指摘した。

 1月11日のオンライン記者会見でJP楽天ロジスティクスの向井秀明ドローン・UGV事業部ジェネラルマネージャーは「空で荷物を運ぶ新たな物流インフラを作り、それを皮切りに〝新たな産業革命〟の始まりを後押ししたい。過疎地の次には都市部。高層階に届けるのにベランダ配送の議論もあった。今後、ベストな方法がベランダか、屋上に運んでロボットに移し替えるのかは、議論になると思う。注文はwebで完結できるが、過疎地や離島等でも実証を重ねる中、高齢の方がスマホやパソコンに慣れず、用紙や電話注文も必要があると気づいた。ニーズに応じて検討する」と語った。